2010.05.20
海外での活動

複式学級の先生たち

ラオス

サバイディー。 ラオス事務所の鈴木です。

ラオスは暑いままです。すっごい猛暑です。

その猛暑さの中でも、頑張る先生たちを紹介します。

ラオスでは学校不足、教室不足、教員不足、教科書不足と、

ないないづくしの状況が、今でも続いています。

その中でも教室不足によって起こるのが『複式学級』です。

皆さん、『複式学級』をご存知ですか?

この写真に、何が書かれていると思いますか?

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初めの平仮名の『し』が逆になったようなラオス語は『学年』を意味し、

それに続く数字は学年をあらわしてます。

つまり、この教室は『1年+2年+3年』用ですということになります。

このように、複数の学年が1つの教室で一緒に勉強する事を

『複式学級』と呼んでいます。

教室の中は、こんな具合になっています。
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1つの教室で、1人の先生が、同時に3学年を教えています。

写真では見難いのですが、向かって右側の黒板は、1枚の黒板の

左側が2年生、右側が3年生用になっています。

こちらの学校でも、黒板を横に2つ並べて

1つの教室で、1人の先生が、同時に2学年の授業を行っています。
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また、下の写真の別の学校では、1つの教室の後ろ側に2つの黒板を並べて

2年生と3年生の2学年の授業を行い、写真には写っていませんが、

手前側に、もう1枚の1年生用の黒板があり、方向を変えて3学年同時に

授業をおこなっています。
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複式学級が行われている教室内は、とても賑やかです。

あちらでは、1年生が大声でラオス語を復唱し、

こちらでは、2年生が算数の答合わせをし、

そちらでは、3年生が『私たちの身の回りの世界』の回答について

グループで話し合う...という具合になっています。

(『私たちの身の回りの世界』は、ラオスの主要三科目の一つです)

このような環境での児童たちの集中力は、蜂の子を散らしたように、

あちらこちらに飛んで行ってしまうのです。

その飛び散っていった集中力を集めようと、さらに大声を張り上げる先生。

その大きな声で、さらに児童の集中力は、さらに天高く舞い上がって

行ってしまうのです。

授業が終わってから、先生、くたくたですね、と話しかけると、先生は、

『まぁね、本当に、くたくたになるわ...』とうつむき気味に話す私たちの

横を、子どもが

『じゃ、せんせい、また、あしたねぇ~』と、言いながら通り抜けていきました。

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『のんきなもんよねぇ~、子どもは。

でも、明日も来るってから、私も来なきゃね』と、先生が笑いながら

話してくれました。

複式学級を経験したことがない私にとって、この状況はとても厳しい

教育環境だと思いましたが、ないない尽くしと考えずに、

ある物で踏ん張る先生たちが、ラオスにはまだまだたくさんいらっしゃいます。