複式学級の先生たち
サバイディー。 ラオス事務所の鈴木です。
ラオスは暑いままです。すっごい猛暑です。
その猛暑さの中でも、頑張る先生たちを紹介します。
ラオスでは学校不足、教室不足、教員不足、教科書不足と、
ないないづくしの状況が、今でも続いています。
その中でも教室不足によって起こるのが『複式学級』です。
皆さん、『複式学級』をご存知ですか?
この写真に、何が書かれていると思いますか?
初めの平仮名の『し』が逆になったようなラオス語は『学年』を意味し、
それに続く数字は学年をあらわしてます。
つまり、この教室は『1年+2年+3年』用ですということになります。
このように、複数の学年が1つの教室で一緒に勉強する事を
『複式学級』と呼んでいます。
1つの教室で、1人の先生が、同時に3学年を教えています。
写真では見難いのですが、向かって右側の黒板は、1枚の黒板の
左側が2年生、右側が3年生用になっています。
こちらの学校でも、黒板を横に2つ並べて
1つの教室で、1人の先生が、同時に2学年の授業を行っています。
また、下の写真の別の学校では、1つの教室の後ろ側に2つの黒板を並べて
2年生と3年生の2学年の授業を行い、写真には写っていませんが、
手前側に、もう1枚の1年生用の黒板があり、方向を変えて3学年同時に
複式学級が行われている教室内は、とても賑やかです。
あちらでは、1年生が大声でラオス語を復唱し、
こちらでは、2年生が算数の答合わせをし、
そちらでは、3年生が『私たちの身の回りの世界』の回答について
グループで話し合う...という具合になっています。
(『私たちの身の回りの世界』は、ラオスの主要三科目の一つです)
このような環境での児童たちの集中力は、蜂の子を散らしたように、
あちらこちらに飛んで行ってしまうのです。
その飛び散っていった集中力を集めようと、さらに大声を張り上げる先生。
その大きな声で、さらに児童の集中力は、さらに天高く舞い上がって
行ってしまうのです。
授業が終わってから、先生、くたくたですね、と話しかけると、先生は、
『まぁね、本当に、くたくたになるわ...』とうつむき気味に話す私たちの
横を、子どもが
『じゃ、せんせい、また、あしたねぇ~』と、言いながら通り抜けていきました。
でも、明日も来るってから、私も来なきゃね』と、先生が笑いながら
話してくれました。
複式学級を経験したことがない私にとって、この状況はとても厳しい
教育環境だと思いましたが、ないない尽くしと考えずに、
ある物で踏ん張る先生たちが、ラオスにはまだまだたくさんいらっしゃいます。