2012.11.25
海外での活動

【速報!】 ラオス 「国境をこえた図書館の旅」

ラオス

サバイディー!(ラオス語で「こんにちは」)

東京事務所でラオス事業を担当している、木村です。
おかげさまで、
ラオス事務所は今年、開設20周年を迎えることができました!

その記念に、支援の始まりであるタイ国内のラオス難民キャンプ(バンビナイ)から、
タイ-ラオスの国境を越えて難民たちの軌跡をたどり、現在のラオスでの図書館活動をみていただくスタディツアーを企画。11月17日~24日に実施しました。

その様子をいちはやく、ダイジェストでお届けします!
(少し長文になりますが、おつきあいください)

11月17日から始まったツアー。12名の方々にご参加いただきました。初対面の方々も多いせいか、成田で飛行機を待つ間はちょっと緊張気味。

11月18日は、アメリカ軍基地があったウドンタニから、難民キャンプに近い当時の拠点となっていたチェンカーンの町に移動。

この日は前半のメインイベントである、安井清子さん(元SVAスタッフ、現在はラオス山の子ども文庫基金代表)による難民キャンプ当時の活動の話を写真を交えながらお伺いし、それに続いて、当時、印刷事業を担当していたソムサックさんと一緒に実際に難民キャンプの跡地を当時の様子をイメージしながら皆で歩きました。

11月19日は、難民キャンプの周辺に暮らすタイの子ども達への支援(学校から遠隔地の村に住む子どもたちのための学生寮など)を始め、今はタイの行政に移管され保育園となっている様子を、長年活動を支えてきたブンラートさんに案内していただきました。

 

さて、いよいよここからは、ラオスです。
11月20日はラオス所長の伊藤がラオスの知られざる悲しい歴史や教育の課題、それに対するSVAの取組について説明をしました。

ラオスはヴェトナム戦争で補給路としてアメリカ軍から攻撃され、今でもクラスター爆弾が世界一多く存在する国と言われています。市内にある「不発弾博物(COPE)」も見学して、被害やリハビリの様子についても学びました。

ラオスの地図で赤い部分に不発弾が集中して投下され、被害が集中しています。

午後は、ツアーの方々も参加しての「移動図書館活動」。ヴィエンチャン首都郊外の少数民族であるモン族の多い小学校に行きました。普段は報告書やホームページなどを通じてしか知らなかった「移動図書館の活動」を実際に体験し、子どもたちとも交流することで、子どもの成長にとって、ラオスの教育発展にとって「本」や「図書館活動」がどれだけ大切なことが実感していただけた様子です。

11月21日は、ヴィエンチャン県で公共図書館が行っている「移動図書館活動」に参加しました。図書館員による本の読み聞かせ、折り紙のほかに、ツアーのみなさんが 「大きな栗の木のしたで」と「アブラハムの子」を歌って踊るのにあわせて、ラオスの子ども達も見よう見まねで楽しそうに踊ります。

そして、この日の夜は、「ラオス事務所開設20周年のお祝い」ということで、ツアー参加者のほかにラオスや日本でお世話になっている方々をお招きしての式典を行いました。式典の様子はまた別の機会に。

11月22日はツアー最終日。ツアーの振り返りを行いました。

みなさん短い間にたくさんのことを吸収し、ラオスのことを学んでいただいたようです。実際に図書館活動をみていただき、参加していただいたことで、「絵本を届ける運動に参加した時には、それが届く先の活動まで考えたことはなかった。実際その様子を見て、絵本はツール。その楽しさを伝える人がいて活かされるということがわかった」といった感想もいただきました。
ラオス事務所にて、参加者のみなさんとこの旅で学んだことを発表しあいました

私たちスタッフにとっても、会員やATS(アジアの図書館サポーター)、国際ボランティアの寺、個別の活動へのご支援をいただいている方々と実際に何日かともにすることで、みなさんの思いを直接お伺いできたことはとても貴重なことでした。

20年は人間でいえばやっと成人を迎えたところ。これからもラオスの子ども達の笑顔と未来のために、共に学びながら活動を続けていきたいと思います。