複式学級運営研修会のための計画づくり
サバイディー。
ラオス事務所の加瀬貴です。
突然ですが、皆様、「複式学級」をご存じでしょうか。
日本の小学校では、あまり見られなくなりましたが、日本でも山間部や離島などの地域にある小学校では現在も行われている学級形式です。
複式学級は、1人の先生が、1つの学級内、1つの授業内で、2学年または3学年を同時並行に教えている学級のことです。
複式学級の様子、右左で違う学年の子どもたちが学んでいます。
2012年の全国調査では、ラオスにある全学級のうち、約3割が複式学級を採用しています。近年、複式学級の数は増加傾向にあります。ラオス教育スポーツ省は、小学校の完全校化(1年~5年生まである学校のこと)を進めており、教員の数を十分に確保できない僻地では、複式学級を受けもつ先生が非常に多くなっています。
SVAの事業対象地も同様で、対象地内の全学級のうち、約6割が複式学級を行っています。これは、ラオス全土で4番目に高く、対象地の先生方は、日々複式学級の運営に苦心しております。
このような状況で、SVAは、「JICA草の根技術協力事業」の一環として、対象地で多くみられる複式学級の運営改善のための研修会を実施する準備を進めています。
今回実施したのが、「研修会の計画づくり会議」です。SVAと教育省で選定した複式学級トレーナーを対象地に招き、研修で使用する教科書の中身、そして研修内容が、対象地の現状に即しているかをひとつひとつ確認しました。
弊会スタッフがモデレーターを務めました。
参加者は今後実際に教員を教えるトレーナーになる郡の教育事務所職員です。参加者から、「教科書に記載している内容が、現状とは合っていない」、「内容をもう少し具体的にわかりやすく修正して欲しい」、「授業のサンプル案を追記したほうが良いのでは」などの意見が出されました。
積極的に意見をくれた郡の教育事務所の担当官
今後、上記のリクエストに基づき、教科書の内容を修正し、対象地の現状に沿った指導内容にしていく予定です。
研修会は、「誰のために、誰によって、どのように行われるか」を研修実施前に綿密に確認する作業が大切で、できる限り、対象地の教員のみなさんの必要性にあった内容の研修会を行うべく、日々奮闘しています。
研修会は9月以降、年末にかけて、複数回実施する予定です。今後も、皆様にラオス僻地の教員を取り巻く状況と改善のための取り組みをお知らせしていきたいと思います。
SVAラオス
加瀬貴