コロナが落ち着いたと思ったら…新たな事務所運営の課題
皆さん、こんにちは。ミャンマー事務所のメメです。本日はミャンマー事務所が新たに直面する、クーデター下の事務所運営の難しさをお伝えします。
ミャンマーでは新型コロナウイルスの感染者数が落ち着きを見せ始めました。これまで在宅勤務を取り入れていましたが、今は感染予防措置に則りながら、全スタッフが毎日事務所に出勤しています。やはり、事務所で仕事をすると朝礼等の会議も対面ででき、仕事がはかどります。しかし、軍事クーデター下で事業を進めるには様々な制約があり、新たな課題にも直面しています。
(写真:対面での朝礼を再開した様子)
移動にかかる手続の煩雑さ
情勢が不安定なため、スタッフが事業地を訪問する際には、出張の詳細を記した推薦状を事務所で準備しなければなりません。また、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書も取得する必要があります。これらの書類は各地に設置されている検問で提示しなければなりません。
電気供給が1日4~6時間のみに制限
3月からミャンマー全土の電力が軍事政権の管理下に置かれました。電力不足のため、電力が供給される時間帯が決められており、1日に4~6時間しか電気が供給されません。そのため、事務所では停電に備えてバッテリー等を準備しています。また、電気が供給されない時間帯は発電機を3~4時間稼働しています。
(写真:発電機を稼働している様子)
物価が2倍に
政情不安からミャンマーの通貨であるミャンマーチャット(MMK)の価値が下がり、1ドルあたり2,000MMKほどまで上昇しました。それに伴い、日用品やガソリン、事務所用品の価格が高騰しています。以前は1週間発電機を稼働するのに30,000MMK必要でしたが、現在は70,000MMKと2倍以上に価格が跳ね上がっています。ガソリン価格の高騰は光熱費だけでなく、出張費も押し上げ、予算内で事務所を運営することが難しくなっています。
変更が相次ぐ銀行システム
昨年から頻繁に銀行システムが変更され、その対応に追われています。3月まではインタネットバンキングを利用して資材の購入の支払等を行えていましたが、4月に中央銀行が外貨口座に関する通達を発し、外貨の強制両替が発令されました。それに合わせて、軍事政権がミャンマーチャットとドルの為替レートを1,850MMK/ドルに固定させました。事務所では外貨の管理のため特別口座の開設を強いられました。特別口座にある外貨を利用するには、軍事政権が定める為替レートで両替した後、ようやく通常の口座に送金することができます。
また、銀行システムは頻繁に変更されるものの、銀行から公式な発表が行われることはほとんどありません。そのため、銀行によって対応が異なり、状況を注視し銀行員に毎回確認を行わなければなりません。
総務経理課長として、これらの対応を負担に思うこともありますが、事業を止めないよう、努力を続けていきたいと思います。
ミャンマー事務所 メメ