ミャンマー洪水支援を開始します
ミャンマー事務所の中原です。
日本でもすでに報道されている通りですが、先月下旬から集中豪雨が続き、河川が氾濫し各地で土砂崩れなどが発生しています。更にその後のサイクロン・コメンの影響により洪水の被害が拡大、8月5日現在、ミャンマー社会福祉・救済再復興省の発表によると死者は少なくとも69名、被災者は27万人となっているとのことです。甚大な被害が出ているのは、中部のザガイン管区とマグウェ管区、西部のチン州及びラカイン州です。7月31日、これら4地域は「国家被災地域」に指定されました。
シャンティが活動を行っているバゴー管区にも被害は及んでおり、事務所があるピー県の事業対象地域6郡での被害状況の情報収集を行ったところ、ピー郡、パダウン郡そしてシュエダン郡の3郡に大きな被害が見られました。
ピー郡には現在、寺院を中心とした8ヶ所に避難所が設置されており、食糧含めた支援は比較的、他郡より行われている状況でした。ですが環境は決して良くなく、長期化した場合の新たな問題が懸念されます。
特にひどい状況にあるのが、ピー郡から西へ23kmほどいったパダウン郡です。ここはイラワジ川に隣接していることもあり、他郡より被害が大きくなっています。主要道路以外は全て浸水、また小さい町ということもあって支援が手薄なうえ、町のほとんどが浸水していることから、飲料水や米などの食糧が不足していました。避難所は現時点で9ヶ所となっていますが、環境が良くないこともあり、道路脇に簡易小屋(ビニールシートで屋根を作ったもの)を設置している人たちもたくさんいました。また現在、児童サービスの活動を行っている公共図書館も館内ぎりぎりのところまで水がきていました。
シュエダン郡においては現在、まだ情報収集を行っている最中ですが、昨日、スタッフが調査に行ったところメガネをかけた大仏として有名なシュエミヤッマン・パゴダを訪問、敷地内にかなり水が入ってきていました。
連日、洪水被害が報道されている中、ヤンゴン市内では若者たちによる募金活動がとても活発に行われてきています。危険を伴いながらも車両が行き交う路上で信号待ちのタイミングで募り、そして彼らの熱意に共感して運転手の人たちも積極的に募金をしています。もともと喜捨の精神で募金や行動をされるミャンマーの人たちとしては当たり前のことなのかもしれませんが、多くの若者たちがこれほどまで行動力をもって被災した人々のために取り組んでいる姿には何か心を打たれるものがあります。
ミャンマー事務所
中原