ミャンマー民政移管後初の総選挙
ミンガラバー。ミャンマー事務所の中原です。
日本でもすでに大きくメディアで報道されてきていますが、11月8日はミャンマーにとって歴史的な日となりました。2011年の民政移管後初の総選挙が行われ、アウン・サン・スー・チー氏が率いる野党の国民民主連盟(NLD)による新たな政権が誕生する見通しが強まってきているためです。
今回の選挙の有権者数は約3200万人、投票率は約8割であったと言われています。すでに開票結果が連日、発表されていますが、選挙管理委員会による最終的な確定結果までには2週間ほどを要するようです。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、ミャンマーの総選挙は国会の上院と下院、地方議会について改選が行われます。上下院の総議席数は664、このうち上院は224議席、下院は440議席、ですが各議席の4分の1はあらかじめ軍に割り当てられています。よって選挙で改選されるのは498議席です。ですが今回の選挙では、北東部シャン州の下院7選挙区が治安の理由から選挙を行わなかったため、下院総数は433議席、争われる議席数は491ということになりました。今日12日、現地時間午後の選挙管理委員会の発表によると国民民主連盟(NLD)の議席獲得数は、上院95議席、下院196議席の合計291議席となっていて、副大統領候補を選出するために必要な議席数はすでに確保しているとのことです。また政権交代を実現させるための国会(上下両院)改選498議席のうちの3分の2を超える議席数獲得も達成の様子です。
かなりぼやけてしまっている写真で申し訳ありません。
選挙前のミャンマーの人たちの様子を少しでも感じてもらえたら幸いです。
今回の選挙実施プロセスについては、全体として高く評価されているようですが、投票者名簿に自分の記載があったにも関わらず、会場に入ったら投票できないと言われた、同姓同名の投票者が存在していたとのことで「あなたの投票はすでに終わっていますよ」と言われ、投票できなかったなど、周囲の人からこうした声を聞きました。実際にはもっと多くの課題が生じていたのではないかと想像します。
最終結果を迎えるまでもう少し時間を待つことになりますが、ミャンマーがこれから本当の意味での平和な国となっていくことをただ願うばかりです。
ミャンマー事務所
中原