2017.05.30
海外での活動

いざ、国際協力の現場へ!(ミャンマー編)

ミャンマー

2017年5月9日に赴任しました、ミャンマー事務所インターンの川村です。

今回が初めてのブログ担当ですが、あまり肩肘張らずに今後も現場のことをお伝えしていきたいと思いますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。

さて、記念すべき第一弾は、私がミャンマー事務所のインターンとなった経緯について書きたいと思います。大まかに以下の3点にまとめてみましたが、実のところ、これが全てではありません!笑 自分なりに夢や理想を追い求めつつ、一方で現実的な選択をしてきたことも加味していただければ幸いです。

(1)なぜ国際協力・開発協力に関心を持ったか

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(タータナパルラ寺院学校での授業の様子)

「世界には、勉強がしたくてもできない子どもたちがたくさんいるんだよ」

これは、幼少期に私が父から投げかけられた言葉です。勉強に対して非常に怠惰な少年だった私を父は戒めるつもりで言ったと記憶していますが、これは今でも忘れることのできない言葉の一つであるとともに、私が国際協力やSVAの活動に対して関心を抱く萌芽となった言葉です。

時は流れ、私は大学生になりました。もともとグローバルな貧富の格差に関心があったため、開発経済学と開発援助論を専門分野としている教授のゼミに入りましたが、これが私にとって人生最大のターニング・ポイントでした。

「学生が貧乏なのは恥ではないが、勉強しないのは恥である」という教授のポリシーに啓発され、毎回課される英文100ページ以上のリーディング・アサインメントをとにかく必死でこなす。他に予定がない日はもちろんのこと、授業が終わったらそのまま大学の図書館に直行し、閉館時間まで勉強。そんな学生生活を送っていました。

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(母校の図書館)

このときの経験が今の私の価値観・人生観に与えた影響はとても大きく、とにかく必死になって勉強や研究を進めるうちに、開発経済学って楽しい!と心から思えるようになりました。

このようなマインド・チェンジを経たからこそ、大学卒業後は大学院に進学し、

「豊かな国と貧しい国があるのはなぜか」
「開発途上国が発展するために、日本人としてできることは何か」
「有効な援助を実施するための条件とは何か」

といったシンプルで本質的な問題について専門的・主体的に学び、最終的には納得した修士論文を提出することができました。

(2)なぜミャンマーなのか

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(ヤンゴン市内の広場)

すでにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、これまでの私の国際協力についての知見は、学術に特化し「机上」で作り上げたものに過ぎません。修士論文の研究についても、公開データを利用した計量分析だったため、国際協力の「現場」のことを全く知らないのです。

開発途上国の研究をしてきたのに、開発途上国での現場経験はおろか渡航経験もない…

これは国際協力の業界で働こうとする者にとっては、非常に由々しき事態です。
「そうだ、途上国に行ってみよう」。そんな衝動に駆られたのも、自然なことでした。

行き先はどこでもいい。
まずは実際に開発途上国に足を踏み入れて、自分自身の目で現地を見ることが必要でした。
そんな折、私の脳内にひとつのキャッチフレーズが浮かんで来ました。

「アジア最後のフロンティア」

「アジア」・・・日本との結び付きも強い
「最後の」・・・他の国にはもう存在しない
「フロンティア」・・・これから発展が期待される国

なんと魅力的な響きでしょうか!

きっとこの「アジア最後のフロンティア」には私の好奇心を満たす何かがあると直感的に確信し、アルバイトをして貯めたなけなしの軍資金10万円で1週間のミャンマー1人旅(ヤンゴン⇔バガン)をしてきたのは、昨年8月のことでした。

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(バガン遺跡)

初めてのミャンマー1人旅、本当に色々な経験をしましたが、なかでも印象的だったのは、バガンを訪れた際に、壮大なシュエズィーゴン・パゴダ内にある土産物店が並ぶ一角で、文字通り「地べたに這いつくばって」勉強している子どもを見たときでした。

この子のように困難な状況下であっても頑張る子どもたちに、快適な学習環境を与えることができたなら…

そんな思いが込み上げてきたと同時に、ひとつの決意をしました。
次は、国際協力人材としてミャンマーを訪れよう

(3)なぜ国際NGOで長期インターンをするのか

再びミャンマーを訪れる機会を探していたとき、PARTNERという国際協力機構(JICA)が運営している国際協力キャリアサイトのメールマガジンでこの度のミャンマー事務所インターン募集のことを知り、急ぎ応募し、今に至ります。シャンティのようなNGOをはじめ、日本には国際協力を実施している機関・会社・団体がたくさんありますが、国際協力の業界は総じて入口の敷居がとても高いという現実があります。

「業務遂行可能な英語力」
「英語以外の現地語でのコミュニケーション能力」
「類似した職種での一定期間の業務経験」
「海外とくに途上国での業務経験」
「関連する分野での修士号」

などなど、代表的な応募条件を列挙してみましたが、これらを見ると、国際協力の業界において新卒学生の採用枠は極めて限られているというのがお分かりいただけると思います。

したがって、最初はどんな形であれ業界の中に飛び込む勇気と覚悟が必要です。どんな形であれとは、ボランティアやインターンのポジションからスタートするということです。しかし、ボランティアやインターンの身であっても、実際に国際協力の現場で働いた経験は必ず将来の自分の糧になります

例えば、業務は基本的に英語で行われるため、否が応でも英語力は向上します。一歩外に出れば、英語が通じる人や英語の表記すら希少なので、現地語を理解したいという意欲が芽生えます。
身分はインターンであっても、実際にプロジェクトに携わる機会がたくさんあるので、業務経験もそれなりに積むことができます。日本ではめったに出会えないような素晴らしい人びとと出会えるチャンスがあります。

これらは、現在私がミャンマー事務所インターンとして働かせていただいているなかで日々実感していることです。インターンとして活動し始めてからまだ日は浅いですが、おかげさまで日々充実した生活を送ることができています!

そんな私が言うのも恐縮ですが、シャンティが実施している海外事務所インターンプログラムは、国際協力に関心があるビギナーの皆さまに心からおススメできる制度です!

 

長いブログで失礼しましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ミャンマー事務所インターン 川村 圭