ミャンマーのお盆!?「タディンチュ」
ミンガラバー(朝晩兼用こんにちは)、ミャンマー事務所より伊藤です。
ミャンマーでは先週まで「タディンチュ(Tha Ding Kyut)」と呼ばれる日本で言うお盆に値する祝日期間でした。しかし、日本で言うお盆とは全く違った光景がここミャンマーでは見られました。
その様子が中々面白かったので、本日はその一部をお伝えしたいと思います。
タディンチュとは、7月の満月の日から数えて3ヶ月後の10月の満月の日(今年は6日)を指し、雨安居(うあんご)明けとして祝われる日です。雨安居とは雨季となるこの期間、僧侶たちは僧院にこもって修行をする期間だそうで、タディンチュは雨季が終わり、乾季に変わる時を示します。季節と宗教の密な関係も伺える行事です。この時期ミャンマーではお祭りモードとなり、4月の水掛け祭り「ティンジャン」と並んだ大きな祭日期間となります。
この雨安居が明けるまでの3ヶ月間は、一般の人たちも様々なことを控える風習がある様です。
その中でも、結婚式は有名で、この3ヶ月間は挙式をせず、タディンチュ以降に挙式をするとのこと。(プロポーズもその時期に合わせてするとかしないとか!?)
そんな意味でも、街中がこの晴れ晴れしいタディンチュに向かって、盛り上がっていく雰囲気を私たちの事務所があるピーの街でも感じることが出来ました。
そんな高揚感溢れた街の一部を、イマイチ伝わりきらない写真と共にお伝えします。
街中が電飾で飾られます。大きい道から小道、家々まで色とりどりの電飾で飾られ、なんだかワクワク。欧米で言うと、ハロウィンの感覚に似ているかも、、!?また普段外灯が少なく夜は暗いので、こういった明りがあると日本人の感覚的には安心します。
街中にはそれに合わせて、もちろん商売チャンス!ということで、電飾製品があちこちで売り出されます。
お祭りと言えば、ケーキ!という文化はどこの国でもあるのでしょうか。沢山のケーキが店頭に並びます。(味は、悪くありません)ちなみにこの時期に中国で有名な月餅も良く見かけました。また行事に合わせて、店頭セールをしている商店も見られました。
こちら、伝わらない写真代表ですが、名付けて、「練り歩きドネーション隊」が近づいて来る様子です。
はい止まりましたぁ!
こちら、私がこの時期の数あるイベントの中でも最も伝えたかったことの一つ。
通称「練り歩きドネーション隊」とは、この改造された山車の様な車両で、街中に寄付集めに出かける町内会の行事の様なものです(と理解しています)。普段からパゴダ前では寄付集めをする光景が見られますが、この時期は自ら出向いて寄付集めを行います。それがタディンチュが近づくにつれて、頻度も長さも流れ出す音量もパワーアップしていきます。(私はこのお陰で睡眠不足になる日も、、)この車についた莫大スピーカーを通して、昼夜問わず爆音ミュージックと共に、何やらアナウンスがされるのです。しかもそのアナウンスもレコードではなくライブです。「●●家から●●円頂きました!」と言った寄付報告等がアナウンスされる様です。寄付が美徳だとされるミャンマーでは、この時期に寄付ムードが一層高まります。
メインのパゴダも勿論、電飾に飾られます。この時期でなくても、ミャンマーのパゴダは普段から割と色鮮やかに祭られていますが、この時期は鮮やかさを増します。この事務所近くにあるパゴダでも、タディンチュ本番前日より、電飾に加えてろうそくが無数に灯され始めました。写真中央部に見られる男性二人が(見えますか)、順にろうそくを灯しています。
タディンチュの象徴であるろうそく、幻想的な光景です。子どもたちも、一つ一つろうそくに火を灯す姿が何とも言えませんでした。ろうそくに火を灯してお釈迦様をお迎えするとのことで、日本のお盆が思い出されました。ミャンマー3大仏塔の一つのシュエサンドーパゴダがピーにありますが、そこでは9,900本のろうそくが灯されるそうです。
ろうそくの灯りに照らされた美しいパゴダの姿に魅了されていると、どこからともなく現れたルー大柴似のおじさま。ミャンマーは人懐っこい人が多く、よく話しかけてきてくれます。そして、どこの誰とも知らない私に、ちょっと座って食べてけ、とココナッツおしるこの様なもの(これがとても美味しかった!)をご馳走して頂きました。この様なミャンマー人の暖かさにいつも心がホッと救われます。そして、伝わらない写真代表となり得る写真を撮って頂き、タディンチュ堪能。
以上、伝わりきらない写真と共にお伝えしてきたミャンマー版お盆の様子、如何でしたでしょうか。
この他にも、この時期は年上の人に敬意を払う期間でもあり贈り物をしたり、通称パラダイスマーケットと言われる、抽選型無償フリーマーケットの様な行事もパゴダで行われる様で、来年はもっと沢山の面に触れてみたいと思いました。
行事一つからでも、国の伝統、宗教を含めた文化や生活習慣を垣間見ることが出来、非常に興味深い期間となりました。
タディンチュが終了した今、鮮やかな灯りは消え少し寂しいですが、乾季に向かってまた新しい顔を見せようとしているミャンマーです。
いつも当会のブログを読んで頂き、有難うございます。