知ることの大切さ
ミンガラーバー。ミャンマー事務所の中原です。
先日、久々にヤダナミズリ孤児院を訪問してドーワナティリ尼僧校長にお会いしました。
*同孤児院は2007年に設立、少数民族地域(カチン州、シャン州等)の武力衝突で両親を失った子を保護しています。また捨て子を預かるケースもあります。
同校長から今年に入り、シャン、ラカインそしてカチン州から新たに約30人もの孤児を受入れ面倒を見ているとの話しを伺いました。
シャンティが女子寮建設を支援させていただいた2014年時点から子どもたちの数は増え続け、現在その数は300人にもなっています。この子どもたち全員をドーワナティリ尼僧校長は母親としての役割も担いながら深い愛情を持って面倒を見てきています。その姿に改めて先生の凄さを感じました。
来年度も新たな子どもを受入れる計画になっている、主にシャンまたはラカイン州からとお聞きしました。少数民族地域ではまだ紛争が続いているところが存在しているため、心が痛みます。
そして更に、現在、新たに取り組んでいる活動のお話しもお聞きしました。
ピーの町中にいるストリートチルドレン、また昼間仕事をしている子どもたちのために夕方以降、勉強を教えているとのことです。もちろん、校長先生が直接に教えられているわけではなく、同孤児院の先生や若いボランティアの方に手伝ってもらっての活動だそうです。子どもたちは最初、自分たちは物乞いで周りからも差別されている、だからそんな場所に行くのは恥ずかしいと拒んでいたそうです。ですが、何度も話して聞かせ、勉強しに来るようになったとのことでした。
校長先生の嬉しそうな顔がとても印象的でした。
現場で活動していても、知らないこと、耳に入ってこないことがあります。
常にアンテナを張っていなければと思っていながらも、反省があります。
話しが少し逸れてしまいますが、昨年、ミャンマー事務所スタッフがタイとミャンマー国境メーソットを訪問した時のことです。
当会のミャンマー(ビルマ)難民事業事務所に調整をもらい、移民小学校やメラ難民キャンプの状況を知る機会を得ました。移民労働者として過酷な暮らしを強いられている人たち、その子どもたち、30年以上にも渡り難民生活を続けている人たち、その子どもたち。祖国ミャンマーを離れて今、そうした状況で生きている同国の人たちの存在をスタッフたちの多くは知りませんでした。シャンティで働き始め、タイ国境での活動は聞いてきている彼らでしたが深くは理解出来ていなかったと思います。
「どうしてミャンマーの子どもたちがこんな目に合わなければならないのか。悔しい。」とあるスタッフが私の隣で小声で言いました。「その気持ちをお互いにしっかりと覚えておかないとね。」今もその時の話しを彼とする時があります。
他のスタッフたちも自国のことでありながら今まで知らなかった移民、難民問題を自分たちのこととして考える大事な機会となりました。
校長先生にお会いして、ふと感じさせられた一時でした。
ミャンマー事務所
中原