コロナのため工事が中断した校舎建設が完了しました
ナマステ。ネパール事務所長の三宅隆史です。コロナ感染の影響のため、建設工事が一時中断していた校舎建設が、4カ月遅れで1校完了しました。ラスワ郡のゴータマブッダ校という基礎教育学校(日本での小中一貫校にあたり幼児クラスもあります)で、2015年の震災により14教室が倒壊しました。シャンティは8教室(写真右手)と4教室の2棟の耐震構造校舎を建設しました。同校の児童・生徒は295名、教員は10名です。
写真は、震災後、児童・生徒がほぼ3年間学んできた仮設教室です。この仮設教室は、6月以降、インド等海外から帰国した移住労働者が2週間生活する検疫施設として使われています。同校のように、全国の29,000校の公立校のうち、4,000校が検疫施設として使われています。学校は閉鎖されているとはいえ、子どもたちはコロナ感染の恐ろしさにおびえているので、学校が検疫施設として使われていることによる子どもへの心理的影響が懸念されます。また学校再開にあたっては、消毒を行い、衛生施設を改善し、子どもにコロナ対策習慣を適切に指導する必要があります。
校舎建設支援を検討するために、同校を初めて訪問したのは、2018年の8月でした。その時は雨季のため道が悪く、また地滑りが訪問の前日に起きたので、往復で8時間歩きました。写真の右端に人が歩いていますが、そこが道で土砂崩れによって道が遮断されています。帰りは日が暮れて真っ暗になり、懐中電灯を店で買って歩いたのを覚えています。調査から校舎完成までほぼ2年間かかりました。
上の写真は側面から校舎を撮影したものです。ロックダウン中でも工事が再開できた理由として、公共事業工事については自治体が審査をした上で許可が与えられるように政府の方針が変わったこと、郡を超えた人の移動は制限されているのですが地元の人材を労働者として活用していたのでロックダウン中でも労働力を確保できたこと、建設業者も首都カトマンズではなく地元の会社と契約していたこと、があげられます。
災害時に教室から安全に避難できるように、ドアは外側に開くように作られています。右側の柱の後にあるのが、車いす用のスロープです。壁の色は教育省の基準に沿っています。
贈呈式開催、学校再開のめどはたっていませんが、今後は、住民組織である学校運営委員会が責任をもって校舎を維持管理していくことから、各教室の鍵を同委員会の委員長に手渡しました。2019年度事業ではあと1校の建設が残っているので、完成目指して努力していきます。なお本事業は外務省のNGO連携支援無償の支援を受けています。