復興への歩み|令和6年能登半島地震
仮設住宅で移動図書館のチラシを投函していると春の陽気に誘われて飛び交うツバメや、畑で植えるジャガイモの種芋を用意している方、軒下で日向ぼっこをしながらおしゃべりする方々とお会いします。
今年も海を渡ってやってきたツバメ達
畑に植えるジャガイモを用意
移動図書館には、ピカピカのランドセルを背負った新小学一年生が遊びに来てくれました。
震災以降、家族で能登を離れていましたが、入学に併せて3月に戻ってきたばかりだそうです。
母親:「幼稚園の頃は昆虫や恐竜の本ばかりだったけど折り紙の本を選ぶようになったのね。」
本を通して子どもの成長を感じながら一緒に折り紙で遊んでいました。
学校帰りに新一年生が親子で利用してくれた
4月半ば、能登半島地震以降開設された避難所は全て閉鎖し、長きにわたる避難所生活は終了しました。
自主避難所として活用されていた地域集会所は、本来の機能である人々が集まる場所として再開。
第1回目の活動として移動図書館が伺いました。
70代女性利用者:「昨年、1月の地震からここで寝泊りしたんや。70人ばかしおったかね。半月ほど経ったら残る人もおれば市外へ離れていく人もおった。結局、仮設住宅が完成した9月にようやく戻ってきた。10月にぼちぼち片付けしようと話していたら今度は水害や。そこから、また避難者で溢れた。ようやく落ち着いて今日が最初のイベント。じんのび集まることができて今日は最高に楽しかった!」
初めての巡回だったが多くの方が利用してくれた
昨年、植えた花が咲いたと持ってきてくれた
避難所の解散、仮設住宅への入居、入学など復興への歩みが進む中、二重被災の傷跡は未だ残っています。
輪島市町野町は河川の氾濫や土砂崩れによる被害が大きく、流木や泥が大量に流れ込んだ地域です。
輪島市役所町野分所は奥能登豪雨にて床上浸水被害を受け、中にある町野図書館は現在も復旧作業中。
復旧を待つ町野図書館の状況
輪島図書館までは1時間ほどかかる町野町では、毎週雑誌を借りるため町野図書館を利用していた方や、広い団地のため旧来のコミュニティが壊れ孤独感を感じている人がいると聞きます。
50代男性利用者:「たくさん本を買って読もうと本棚にしまっていたが、本棚ごとなくなってしまったわ。しばらくは借りる方がいいね。」
人が集まる場所として、図書館の代わりとして色々な役割で利用してもらえるといいです。
色濃く残る町の被害(町野町)
土砂流木が残る中、力強く咲く桜。純粋で粘り強い能登の人々を表しているように感じます。
川沿いの桜並木には多くの土砂倒木が残っている
国内事業課 中井
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