2022.02.13
海外での活動

地域学習事業の教員研修の成果

ネパール

こんにちは

ネパールでは地域学習という自分の暮らす地域について学ぶ新しい科目が全国で導入されました。

多くの自治体では資金難やノウハウの不足により、各自治体で独自のカリキュラムや教科書を作ることができず、地域学習の授業は実施されていません。

シャンティは先住民族地域における地域学習のカリキュラムの開発・普及事業を、少数民族が多く暮らすマクワンプル郡ラクシラン自治体で実施しています。これまで、地域学習のカリキュラムの策定や、教科書の製作、教員研修の事業を行ってきました。

教員を対象とした地域学習の授業とより良い教授法に関する研修を実施しました。

研修の様子のブログ

地域学習事業の教員研修を実施しました。

学校にモニタリングに行ったところ、たくさんの研修の成果を見つけました!

伝統的な農機具

授業で子どもたちが描いた地元の伝統的な農機具、脱穀機の絵

ネパールでは長年、教員が一方向的に講義を行い、教科書を暗唱するだけのような、暗記教育が行われてきました。研修では、教員と子どもたち、子どもたち同士が相互交流をしながら学ぶ児童中心の教授法を用いています。この写真で、教員が研修で学んだことを活かし、子どもたちが自分で調べたことを絵と文章にまとめる授業を行ったことがわかります。

文字を学ぶ教材

丸の中にネパール語の文字を置いて、あいうえおのように順に並べる教材

黒板消し係といった、各係が書かれている紙のポケットに、その係になった子どもたちの名前の書いている細長い紙を入れています。日本の学校にはよくありそうな掲示ですが、研修の前、この学校にはありませんでした。

6年生~8年生の地域学習の教科書を制作しました。この教科書は、新学期の4月から使用されるので、まだ6年生~8年生は児童中心の教授法を用いた地域学習の授業を受けていません。研修を受けた先生たちは、他の科目で、すでに児童中心の教授法を使って、高学年の生徒たちに授業を行っていました。

地域学習の授業がまだ始まっていない高学年の授業で生徒が描いたネパールの国鳥、ダンフェ(和名:ニジキジ)の絵とダンフェに関する文章が書いてあるノート

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、年末年始のお休みを延長する形で、2022年の年明けから学校の休校が続いています。一日あたりの新規感染者数の減少により、もうすぐ学校が再開する予定です。4月からラクシラン郡のすべての学校で、1年生~8年生まで、地域学習の授業が本格的に開始します。研修の成果を越え、本事業の成果が見られる日が楽しみです。

事業サポート課 竹本