2019.09.20
開催終了

2019年も「難民映画祭」が開催されます(9/21~10/14)

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
国際協力の現場から

今、世界では7080万人(*)を越える人々が紛争や迫害により命の危険にさらされ、住みなれた故郷を追われています。強制的に住む場所を追われた人々は、この20年間でほぼ2倍に増えています。

こうした難民の現状を映画で伝える映画祭が毎年開催されてきました。これまで「UNHCR難民映画祭」という名称で開催されていましたが、14回目を迎えた2019年は「UNHCR WILL2LIVE映画祭2019」という名称で、東京と名古屋で開催されます。

(*)UNHCR「グローバル・トレンズ・レポート(年間統計報告書)」

UNHCR難民映画祭の歴史

2006年より13年間続いてきた「UNHCR難民映画祭」は、名称を「UNHCR WILL2LIVE映画祭」と変えました。タイトルの“WILL2LIVE(ウィル・トゥー・リブ)”には、厳しい境遇にあっても生き抜こうとする難民の意志(=Will to live)を表し、難民の人々の不屈の姿、彼らの勇気や希望を伝えたいというメッセージが込められています。

主催:特定非営利活動法人国連UNHCR協会
協力・監修:国連難民高等弁務官(UNHCR)駐日事務所

UNHCR WILL2LIVE映画祭2019の上映作品

映画祭では、日本初上映の作品をはじめ、各国映画祭で受賞歴のあるドキュメンタリーやドラマ全7作品が東京と名古屋で上映されます。上映される映画の中でも、シャンティが支援している国や地域の難民が登場する2作品をご紹介します。

『ミッドナイト・トラベラー』(アフガニスタン)

アフガニスタンの平和をテーマにした作品がタリバンの怒りを買い、その首に懸賞金をかけられた映画監督のハッサンは、妻と2人の娘たちと故郷アフガニスタンを逃れることを余儀なくされる。映画監督として、時に出演者として、ハッサンは携帯電話だけを手に、タジキスタン、トルコ、ブルガリアを経て、安全な場所を求めてさまよう一家の命がけの旅を記録していく。故郷を追われて難民となるとはどういうことか、その現実が観る者に容赦なく迫るドキュメンタリー。(UNHCR WILL2LIVE映画祭2019 | ミッドナイト・トラベラーより)

UNHCR難民映画祭2016」で上映された映画『ソニータ』も、アフガニスタンから逃れた難民のお話です。一見、どこにでもいる様な今時の女の子が、社会の不条理をラップにぶつけながら人生を切り開いていく様子が描かれた『ソニータ』は、以前ブログで紹介したことがあります。

https://sva-old.skr.jp/wp/?p=22798

『僕の帰る場所』(ミャンマー、日本)

東京の小さなアパートで暮らす母親のケインと幼い2人の兄弟。入国管理局に収容されている夫アイセに代わり、ケインは一人家族を支えていた。日本で育ち、母国語を話せない子どもたちに慣れない日本語で一生懸命愛情を注ぐが、父親に会えないストレスで兄弟はいつも喧嘩ばかり。ケインはこれからの生活に不安を抱き、ミャンマーに帰りたい想いを募らせる。ミャンマーでの民主化の流れや在日外国人を取り巻く社会を背景に、故郷を離れたミャンマー人家族の生活を実話を基に描く。出演者の多くは演技経験のないミャンマーの人々だが、彼らの現実がリアルに演じられている。(UNHCR WILL2LIVE映画祭2019 | 僕の帰る場所より)

 

UNHCR WILL2LIVE映画祭2019の上映スケジュール・会場

<東京>
2019年9月21日(土)~23日(月祝):イタリア文化会館
2019年9月28日(土):グローバルフェスタJAPAN2019(お台場)
2019年10月4日(金)~5日(土):文京シビックホール

<愛知>
2019年10月13日(日)~ 14日(月祝):名古屋国際センター

映画祭はどの会場でも「参加無料/事前申込なし」で映画を観ることができます。
(※ただし、当日先着順)

 

そして、シャンティも出展する「グローバルフェスタJAPAN2019」でも難民映画が上映されます。

『難民キャンプで暮らしてみたら』2019年9月28日(土)15:30~

グローバルフェスタの会場では、アフガニスタンで支援活動を行っているNGO団体が協力して、伝統舞踊「アタン」を踊るステージ企画を開催します。(※昨年2018年も企画されていましたが、台風接近に伴いイベント自体が中止となり、踊りを披露することができませんでした。)

スペシャルステージ企画:9月28日(土)11:00~11:30 「五感で楽しむアフガニスタン!」

 

「難民」という言葉を聞くと、どこか遠い存在のように感じてしまうかもしれません。しかし、難民になる前は私たちと同じように、学校に行ったり、仕事をしたり、家族や友達と過ごしていました。そんな日常が奪われ、国を離れざるを得ず、私たちのすぐ近く、日本にも難民として移り住んだ人々が大勢います。

この機会に、映画を通じて難民について考えてみるのはいかがでしょうか。