いわて/みやぎ/ふくしまを走る 移動図書館プロジェクト終了
2011年3月13日に、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市で現地支援活動を開始しました。
その後、岩手県、宮城県、福島県の3県6市町(岩手県 陸前高田市、大船渡市、大槌町、山田町、宮城県山元町、福島県南相馬市)で、移動図書館活動や仮設団地集会所での文庫活動、常設図書室運営などを行いました。
現在は、被災地の図書館や書店の復興状況に合わせ、地元の図書館やお話し会などへと活動を引き継ぎ、本年7月末の岩手事務所閉鎖に伴い、「いわて/みやぎ/ふくしまを走る移動図書館プロジェクト」は全ての活動を終了することとなりました。
多くの皆さまに長期にわたりご支援、応援を頂戴し、心より感謝申し上げます。
■岩手県での活動まとめ
2011年6月に遠野市に事務所を開設し、図書館が大きな被害を受けた山田町、大槌町、大船渡市、陸前高田市の4市町で7月より仮設住宅にお住まいの方を中心に図書を通じた復興支援を行ってきました。その後、陸前高田市のモビリア仮設団地の北集会所内にコミュニティ図書室を設置・運営、大槌町の仮設団地の集会所・談話室に文庫を開き定期的に本の入れ替えを行うなど、広く図書支援の活動を実施しました。移動図書館や常設図書室では、図書の貸し出しだけではなく、お茶やコーヒーなどもお出しして、住民の方たちがくつろぎ、お話ができる場づくりも行いました。また、各地域の図書館やお話し会などとも連携し、一緒に図書イベントを行ったり、公共図書館とは図書の貸出・返却をどちらでも可能にするなど協力しながら活動を進めました。
2016年に入り、各市町の図書館・図書室の活動も活発になり、仮設住宅から災害公営住宅に転居あるいは自宅を再建する方も増えたことから、当会の活動は収束することとしました。山田町では町立図書館が移動図書館を行えるよう、活動のサポートとともに車両や書籍を寄贈、大槌町では引き継ぎを視野に、地元のお話し会と仮設団地での文庫活動を協働、大船渡市では市立図書館や地域のお話し会と図書活動の話し合いをするなど、収束にあたっては、丁寧な引き継ぎを心がけました。また、陸前高田市では、7月の新市立図書館の開館を待って、当会の常設図書室は閉所となる予定です。
■山元事務所での活動
岩手県に引き続き、2012年秋より宮城県山元町および福島県南相馬市でも移動図書館活動を開始しました。岩手における移動図書館の運行スタイル(本の貸し出しだけではなく、テーブルとイスを設置してお茶のみやおしゃべりの場づくりも行う)が、仮設住宅の住民同士の交流促進や気晴らしになることを実感し、同様の活動を実施しました。企業や寺院の方たちも運行をサポートしてくださいました。
各市町の復興状況や図書利用の推移をみて、2017年4月に山元事務所による移動図書活動を終了しました。なお、南相馬市においては、2015年春から市立図書館のスタッフが当会の移動図書館の運行にほぼ毎回参加し、2016年5月以降は当会が寄贈した車両を用いて、市立図書館による災害公営住宅や幼稚園などでの移動図書館活動が開始されるに至りました。
シャンティ国際ボランティア会の東日本大震災事業
1981年、カンボジア難民キャンプで人々の精神的な支えとなるために、図書館活動を行ったことから活動がスタートしました。以来30年以上にわたり、図書館活動を中心としたアジアの子どもたちのための教育支援を行ってきました。現在は、タイ、カンボジア、ラオス、タイにあるミャンマー(ビルマ)難民キャンプ、アフガニスタン、ミャンマー、ネパールで活動を実施しています。また、阪神・淡路大震災をはじめとして、国内外50を超える災害救援を行っています。
東日本大震災では、宮城県気仙沼市、岩手県遠野市(その後、釜石市に、さらに陸前高田市へ移転)、宮城県山元町に現地事務所を設置し、支援活動を行いました。
現在は、帰還困難区域を除いて2016年7月に避難指示が解除された、福島県南相馬市の小高地区を中心に、「コミュニティ支援事業」を継続しています。地域住民の方と共に人の輪が広がるような活動を実施して参ります。
なお、活動のまとめとしまして、東京にて報告会を予定しております。
開催日時等は、弊会ホームページにて後日ご案内をさせて頂きます。
活動実績
利用者数 | 岩手 | 55,771 |
山元町 | 6,959 | |
南相馬市 | 5,386 | |
合 計 | 68,116 | |
貸出冊数 | 岩手 | 118,069 |
山元町 | 16,400 | |
南相馬市 | 9,305 | |
合 計 | 143,774 | |
巡回仮設団地数 | 岩手 | 197 |
山元町 | 40 | |
南相馬市 | 60 | |
合 計 | 297 |
■活動写真