アフガニスタン報道に関するお願い
平素より、アフガニスタン情勢に関する取材・報道にご尽力いただき、誠にありがとうございます。アフガニスタンの状況を報道いただくことは、国際社会がアフガニスタンのことを忘れていないというメッセージを届けることのみならず、人道危機に直面している人びとに支援を届けるために欠かせません。
しかし同時に、アフガニスタン人、アフガニスタン関係者にとって重大な不利益、命の危険につながるおそれがあります。
アフガニスタンに関して報道いただくにあたり、ご留意いただきたいことと対応例を以下にまとめました。当会へのご取材の際には以下の遵守をお願いしておりますが、当会以外でもご配慮いただければ、大変ありがたく存じます。
お願い
アフガニスタン人、在アフガニスタン邦人を含む、アフガニスタン関係者を報道する(番組・記事などで取り上げる)際には、当該個人および関係者の安全を保護するため、以下の点について特段の注意を払う必要があります。
仮に個別の情報では特定できなくとも、さまざまな情報リソースの組み合わせにより、特定することが可能になる恐れがあります。そのため、リスクが高い方への取材について、弊会では下記の通りお願いしています。
取材時
a.アフガニスタン人への直接の連絡の際は、十分な配慮をお願いします
海外(アフガニスタン国外)とのやりとりが判明することで、個人の重大なリスクにつながる可能性があります。
●対応方法
取材の依頼内容を明示していただくこと、ご本人へのリスクに対して十分に協議、合意を得た上での取材をお願いします。
b.情報が伝わる範囲によってリスクが高まります
特定の情報が伝わることで個人の重大なリスクにつながる可能性があります。日本語以外の言語に翻訳され、インターネットなどに掲載されることで命の危険につながる恐れがあります。
●対応方法
情報が伝わる範囲について、本人、あるいは団体窓口の担当者と協議するようにしてください。
あわせて、取材対象者の尊厳を守る表現をすることをお願いします。
報道時
a.個人を特定できないように徹底してください
番組等の中で、個人の特定につながる以下のような情報を使用して報道しないよう徹底頂きますようお願いいたします。当該個人および関係者の命に関わります。
■顔・名前・身体的特徴
●対応方法
・匿名での報道、もしくは仮名を使用
・個人がうつっている写真および映像にはモザイク処理
(顔だけでなく、身体も同様です)
■居住エリア・滞在場所・就労先・役職名
●対応方法
・背景が特定できないようモザイク処理
(背景で、居住エリアや滞在場所、就労先などが特定されるリスクがあります)
・身に付けている就労先のIDカード、社章のようなものについてもモザイク処理
・役職名に関しては報道を避ける
b.そのほか、不安な点があればお問い合わせください
背景にあるリスク
上記要請は、個人が特定される形で番組や紙面等に出た結果、大きなリスクに繋がること を防ぐことが目的です。
個人が特定される形で報道されることには、以下のようなリスクがあります。
●アフガニスタン国外で暮らすアフガニスタン人、アフガニスタン人以外の人と繋がりがある人へのリスクは、現時点では不透明です。しかしながら、不当に拘束、住居侵入、虐待 といった事件も報告されています。当会では、命の保証を最優先と考え、リスクとなり得ることは控える方針です。
●退避の方法、手段などが明るみに出ることにより、反対する勢力に妨害される恐れがあります。
●アフガニスタンに残っている人の中には、命の危険を感じている人も多く、身の安全を守るために「すでに国外などに退避した」と周囲に伝えている場合があります。仮に国内に留まっているということが判明すれば、人命にかかわるリスクが高まります。
●これらの情報が流れることにより、本人だけではなく、家族や関係者らが、虐待、拘束、処刑などになる可能性があります。
●携帯電話で使用するプリペイドカードの点数がなくなることによるおそれがあります。
緊急事態の連絡を取る手段は各々の携帯電話です。通信を確保するためのプリペイドカードの入手が困難な状況が続いています。日本からの連絡を受けることにより、残高が減る可能性があります。携帯電話は命の生命線です。
共に手を取り、尽力する仲間として、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
【お問い合わせ先】
公益社団法人 シャンティ国際ボランティア会
広報・リレーションズ課
電話:03-5360-1233(代)