日本国内において外国ルーツの子どもたちへの支援を始めています!コロナ禍におけるオンラインでの居場所づくりを実施
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/所在地 東京都新宿区、以下シャンティ)は、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク(以下WAKUWAKU)と協働で、2020年6月から日本国内において、外国ルーツの子どもたちを対象とした支援事業を開始しました。新型コロナウイルス感染症の拡大が子どもたちの生活にも大きな影響を及ぼすなか、支援の第一歩として、オンラインでの外国ルーツの子どもたちの居場所づくりに取り組んでいます。
外国ルーツの子どもたちのオンラインでの居場所づくり
現在コロナ禍において、学校の行事が中止や縮小になるなど通常とは異なる学校生活の中で、外国ルーツの子どもたちは孤立化することが少なくありません。特に、今年4月に入学した新1年生は、入学式以来学校に行き友人を作る機会がなく、孤独感にさいなまれている子どもたちもいます。また、受験生たちは、定期テストや高校受験の不安を共有する場がなく、一人で悩みながら勉強しています。そこでシャンティでは、居場所がない、他の人と交流する機会に恵まれていない外国ルーツの子どもたちに対して、孤立防止とストレス緩和を目的に、オンラインでの居場所づくりを開始しました。
内容としては、週に1回、Zoomを利用したテーマ別おはなし会を行っています。まずは参加した子どもたちが仲良くなれるようにミニゲームやクイズを行い、雰囲気が和らいだ後でその日のテーマに沿って話し合い活動を行います。これまでのテーマは、「経験と想いを伝えあおう:小さかったとき、日本に来たとき、学校生活、勉強など」「わたしの母語・母国語・外国語」「自分をみつめてみよう」などについて話し合いました。また、外国ルーツのゲストスピーカーを招待したおはなし会や「進学相談会」、秋には「ハロウィンパーティー」などのイベントも取り入れています。今後も、新型コロナウイルスの感染拡大状況を鑑みながら、引き続きオンラインで活動を行い、状況が許せば対面での居場所づくりに取り組む予定です。
日本で暮らす外国ルーツの子どもたちの現状
近年、日本国内で在留外国人数が急激に増加し、昨年末時点で293万人(*)に達しています。それに伴い、外国ルーツの子どもたちの学習や進学、アイデンティティの形成などの課題が浮き彫りになっています。2018年度の文科省の調査では、公立学校において日本語指導が必要な児童生徒は約5万1,000人おり、昨年より約7,000人増えています。そのうち5分の1は、日本国籍をもつ子どもたちです。彼らは、日本社会において、日本語でのコミュニケーションや日常言語と学習言語の違いによる勉強面での困難、クラス内での友人関係や自己のアイデンティティの葛藤など様々な問題を抱えています。特にコロナ禍においては、通常の活動が大幅に制限される中、他者との交流機会や生活や進学に関する情報を得る機会が限られ、子どもたちが不安を抱え、孤立しやすい状況となっています。
外国ルーツの子どもたちとのオンラインでの居場所づくりテーマ例
本事業は、シャンティにとって、国内の外国ルーツの子どもたちを対象とした初めての取り組みとなり、新たな挑戦となりますが、外国ルーツの子どもたちの(1)孤立、(2)教育/進学機会の喪失、(3)コミュニティの軋轢の3つの課題に今後も重点的に取り組んでいきます。
本事業は、令和2年度東京都在住外国人支援事業助成、パブリックリソース財団「コロナ給付金寄附プロジェクト」、パブリックリソース財団「J-Coin基金」、三菱財団×中央共同募金会「外国にルーツがある人々への支援活動応援助成」、株式会社リコー「リコー社会貢献クラブ・FreeWill」の助成を受けて活動しています。
(*)データ出典:令和元年末現在における在留外国人数について | 出入国在留管理庁