第10回「難民子ども文化祭」開催 9民族から178人が参加し、文化交流を行いました
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(所在地 東京都新宿区/会長 若林恭英/以下、シャンティ)は、2018年11月6日、ヌポ難民キャンプにおいて、「難民子ども文化祭」を開催しました。
10回目の難民子ども文化祭
「難民子ども文化祭」は、シャンティが難民キャンプの運営を行う、キャンプ委員会と協力して2009年から開催しており、今回で第10回目となります。毎年開催地となる難民キャンプは異なりますが、今年はタイ国境にあるミャンマー(ビルマ)難民キャンプの一つ、ヌポ難民キャンプで開催し、140人が参加しました。
自分の故郷を離れ、隔離された難民キャンプで暮らす子どもたちは、自由に自分たちの文化に触れ、学ぶ機会が限られています。特に自分たちの文化的アイデンティティを理由として住んでいた土地、国から移住を迫られた人々は、自分たちの文化の維持と発展に関して非常に脆弱な立場にあります。
この難民子ども文化祭は、そのような境遇にある子どもたちが、少数派の民族の文化も含め、伝統衣装を身にまとったり、歌や踊りを披露することで、子どもたちの文化的アイデンティティを支え、それぞれの多様性を認め合い、異文化への理解や他者への尊重を深めることを目的に開催してきました。
「PEACE(平和)」を祈って
今年は「PEACE(平和)」がテーマです。先行きが見えない長期化する難民生活の中でも、キャンプで暮らす人々、活動を行う私たちのような団体も含めて、皆が手を取り合い、平和を築き上げることを誓いこのテーマに決めました。
シャンティはこれからも、「共に生き、共に学ぶ」ことのできる平和(シャンティ)な社会を実現するために活動に取り組んでいきます。
タイ国境ミャンマー(ビルマ)難民キャンプについて
1949年よりミャンマー(ビルマ)国内の少数民族の反政府勢力とミャンマー(ビルマ)軍事政権とによる対立が始まり、1975年以降、戦闘や人権侵害を逃れて人々がタイ側へ流出。現在、タイ政府に正式に認められたミャンマー(ビルマ)難民キャンプ(総面積53,767.6km²)が9ヵ所あり、約10万人が暮らしています(MOI/UNHCR 2018年9月統計より)。今年、難民子ども文化祭を開催したヌポ難民キャンプは10,470人が暮らす難民キャンプで、9つの民族が暮らしています。
難民キャンプでの事業紹介
写真撮影:川畑嘉文
千葉県生まれ 千葉県在住 / 1976〜 ペンシルバニア州立大学卒業 専攻は国際政治。
ドキュメンタリーフォト
文化祭の様子
午前の部
文化祭開幕のテープカット。参加する9民族の代表者が登壇し、「平和」を願いテープカットを行いました。
各民族の子どもたちによる、レクリエーション
図書館青年ボランティアによる人形劇や読み聞かせの活動
子どもたちの自由読書時間
<夜の部>
民族の伝統舞踊を披露する夜のステージ
ポーカレン族
チン族
ビルマ族
シャン族
アラカン族
ムスリム
モン族
パオ族
スゴーカレン族
全民族が登壇してのフィナーレ