【追悼メッセージ】絵本作家 いわむら かずおさん
絵本作家のいわむら かずおさんが12月19日、85歳でご逝去されました。
『14ひきのあさごはん』(童心社)『ねずみの いもほり』(ひさかたチャイルド)など、今も読み継がれている人気作品を生み出してこられました。
シャンティでは、「絵本を届ける運動」を通して、いわむら かずおさんの絵本『14ひきのあさごはん』『14ひきのせんたく』『14ひきのひっこし』『りんごがひとつ』(童心社)『ねずみのかいすよく』『ねずみのいもほり』『ねずみのでんしゃ』(ひさかたチャイルド)あわせて7タイトル5,218冊を、4つの言語の翻訳絵本にして、カンボジア、ラオス、タイ国境の難民キャンプなど、アジアの子どもたちに届けてきました。あたたかみがある貼り絵が特徴の絵とやさしい語り口の文は、国や文化を超えて、どの活動地でも長年親しまれています。
左から『14ひきのあさごはん』さく、え:いわむらかずお、『りんごがひとつ』さく、え:いわむらかずお、出版社:童心社、『ねずみのかいすいよく』さく:山下明夫、え:いわむらかずお、出版社:ひさかたチャイルド
左からビルマ語、ラオス語、ビルマ語
タイ国境ミャンマー(ビルマ)難民キャンプからのメッセージ
私は両親と妹と難民キャンプで暮らしています。私は学校で英語を勉強することが好きです。外国にいったときに英語が話せたらよいからです。 図書館で絵を描いたり、絵本を読んだりすることが好きです。
好きな絵本は『ねずみのいもほり』(ひさかたチャイルド)で、ねずみたちのように立派な人になりたいです。将来は看護師になって人々の助けになりたいです。
私は難民キャンプに両親と5人の兄弟と暮らしています。週に3回、図書館へ行って、絵本を読んだり、友だちと遊んだりします。好きな絵本は『ねずみのでんしゃ』(ひさかたチャイルド)です。
団結について教えてくれる絵本です。図書館に行くと幸せな気持ちになります。将来はお医者さんになって、病気の人を助けたいです。
シャンティの活動地では、貧困や紛争によって十分に学ぶことができない子どもたちが多くいます。どのような環境でも子どもたちが学び続けられるよう、シャンティは「本の力を、生きる力に。」を想いの軸に、安心できる場所をつくり、人を育て、学びと出会うための活動を続けています。これまでに、「絵本を届ける運動」により、日本から40万冊以上の絵本が海をわたり、子どもたちの手に届きました。
絵本は、子どもたちの想像力や好奇心を育てます。自分で考え、未来を切り拓くための「生きる力」になります。
いわむらかずおさんがのこしてくださった絵本は、これからも活動地の子どもたちの「生きる力」を育んでいくことと思います。シャンティ職員一同、感謝と共に、心よりご冥福をお祈りいたします。
サムネイル・文中写真の絵本
『ねずみのいもほり』『ねずみのかいすいよく』さく:山下明夫、え:いわむらかずお(ひさかたチャイルド)