2020.06.20

6月20日「世界難民の日」メッセージ(2020年)

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの図書館で絵本「はらぺこあおむし」を手にした子ども

シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/所在地 東京都新宿区/以下、シャンティ)の活動は、1981年、カンボジアからタイへ逃れた難民への、本や図書館を中心とした教育文化支援から始まりました。

シャンティが支援を開始した当時の世界の難民・避難民の数は約1,000万人でしたが、40年経過した現在、その数は7000万人を超え、2秒にひとりが強制的に住む場所を追われています。そしてその半数が、18歳未満の子どもたちです。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告では、学齢期の難民の子どもたちの約半数は、学校に通うことができていません。

アフガニスタンの子ども図書館で絵本を手にした子どもたち

紛争地や難民キャンプで出会った子どもたちは、「学校に行きたい」「勉強したい」と学びの機会を求めると同時に、安心して心を開放できる場所を必要としていました。そこで「図書館」に出会った子どもたちは、読書を楽しみ、文字を学び、新しいことを知り、自分なりに考え、図書館員や友だちとたくさん話し、遊ぶ中で、つらい毎日を乗り越え、生きる力を育んでいます。子どもが子どもらしくいられる場所、心の自由を感じられる場所が図書館の中にあります。

今、世界での新型コロナウイルス感染拡大により、15億人の子どもたちが学校に通えなくなりました。脆弱な環境にある難民の子どもたちは、これまで以上に学びの機会、安心できる場が失われています。シャンティでは、アフガニスタンの国内避難民、帰還民を対象に衛生啓発活動、困窮家庭を対象に食糧支援を開始し、タイ国境のミャンマー難民キャンプでは、新型コロナウイルス感染予防を徹底しながら、「図書館」サービスを再開しました。厳しい環境に置かれている難民・避難民子どもたちに、今できることを考え、必要な支援を届けていきます。

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの図書館で絵本「おおきなかぶ」を読み聞かせしている様子

6月20日は「世界難民の日」です。世界中で新型コロナウイルス感染の深刻な影響が出ていますが、持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「だれ一人取り残さない」世界の実現のため、難民・避難民が取り残されることがないよう、今できることをみなさんと一緒に考える日にしていきたいと考えています。

6/20(土)15:00~YouTubeで特別イベントをライブ配信

「国際協力の現場から」Vol.1 「世界難民の日」特別企画 コロナ禍のアフガニスタンから – YouTube

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ミャンマー(ビルマ)難民キャンプの様子