【追悼メッセージ】中川李枝子さん
児童文学者の中川李枝子(なかがわ・りえこ)さんが10月14日、89歳でご逝去されました。
『ぐりとぐら』シリーズや『そらいろのたね』など、画家・絵本作家の妹、山脇百合子さん(2022年逝去)とともに人気作品を生み出してこられました。
なかでも、『ぐりとぐら』はアジア、ヨーロッパでも翻訳され、今もなお世界中で愛されています。
シャンティでは、「絵本を届ける運動」を通して、中川李枝子さんの絵本『ぐりとぐら』シリーズと『そらいろのたね』、あわせて12,548冊を6つの言語の翻訳絵本にして、カンボジア、ラオス、ミャンマー、タイ国境の難民キャンプ、アフガニスタンなど、アジアの子どもたちに届けてきました。色彩豊かでやさしさにあふれた愛らしい絵は、国や文化を超えて、どの活動地でも長年親しまれています。
『ぐりとぐら』さく:中川李枝子、絵:大村百合子、出版社:福音館書店
左から、パシュトー語、ラオス語、ビルマ語
『そらいろのたね』さく:中川李枝子、絵:大村百合子、出版社:福音館書店
左から、パシュトー語、ダリ語、クメール語
アフガニスタンからのメッセージ
図書館にはほぼ毎日通って絵本を読んでいます。好きな絵本は『ぐりとぐら』(福音館書店)です。ぐりとぐらがケーキを焼いているページが特にお気に入りです。教育に関する絵本、教育を奨励するような絵本をもっと読んでみたいと思います。将来は私自身も学校や教育、そして平和に関するすてきなストーリーがかける作家になりたいと思っています。
(13歳、女子)
シャンティの活動地では、貧困や紛争によって十分に学ぶことができない子どもたちが多くいます。どのような環境でも子どもたちが学び続けられるよう、シャンティは「本の力を、生きる力に。」を想いの軸に、安心できる場所をつくり、人を育て、学びと出会うための活動を続けています。これまでに、「絵本を届ける運動」により、日本から40万冊以上の翻訳絵本が海をわたり、子どもたちの手に届きました。
絵本は、子どもたちの想像力や好奇心を育てます。自分で考え、未来を切り拓くための「生きる力」になります。
中川さんがのこしてくださった絵本は、これからも活動地の子どもたちの「生きる力」を育んでいくことと思います。
シャンティ職員一同、感謝と共に、心よりご冥福をお祈りいたします。
サムネイル写真の絵本
『そらいろのたね』さく:中川李枝子、絵:大村百合子、出版社:福音館書店