【追悼メッセージ】絵本作家 せなけいこさん
絵本作家のせなけいこさんが10月23日、92歳でご逝去されました。
『ねないこだれだ』『おばけのてんぷら』など、今も読み継がれている人気作品を生み出してこられました。
シャンティでは、「絵本を届ける運動」を通して、せなけいこさんの絵本『ねないこだれだ』と『となりのたぬき』あわせて2,884冊を、3つの言語の翻訳絵本にして、カンボジア、ラオス、タイ国境の難民キャンプなど、アジアの子どもたちに届けてきました。あたたかみがある貼り絵が特徴の絵とやさしい語り口の文は、国や文化を超えて、どの活動地でも長年親しまれています。
ラオスからのメッセージ
私は毎朝6時に起きて、ニワトリやアヒルにえさをあげて、もち米を炊いたあと、学校に行きます。学校の図書室が好きで休み時間に本を読んでいます。好きな絵本は『ねないこだれだ』(福音館書店)です。たくさん絵本を読んで、将来は先生になりたいです。私の学校へ絵本を送ってくれた支援者のみなさんに、心からありがとうと言いたいです。
シャンティの活動地では、貧困や紛争によって十分に学ぶことができない子どもたちが多くいます。どのような環境でも子どもたちが学び続けられるよう、シャンティは「本の力を、生きる力に。」を想いの軸に、安心できる場所をつくり、人を育て、学びと出会うための活動を続けています。これまでに、「絵本を届ける運動」により、日本から40万冊以上の絵本が海をわたり、子どもたちの手に届きました。
絵本は、子どもたちの想像力や好奇心を育てます。自分で考え、未来を切り拓くための「生きる力」になります。
せなさんがのこしてくださった絵本は、これからも活動地の子どもたちの「生きる力」を育んでいくことと思います。シャンティ職員一同、感謝と共に、心よりご冥福をお祈りいたします。
サムネイル・文中写真の絵本
『ねないこだれだ』さく、え:せなけいこ、出版社:福音館書店