2020.03.13
読み物
カンボジアをもっとよく知るための9冊
カンボジアでは、30年近く続いた内戦が1991年に終了し、急速な経済成長を遂げています。しかし、国民の一定数が貧困状態にあり、教育の普及や質の改善など多くの課題が残っているのが現状です。カンボジアの今を形作るものは何か。今のカンボジアを人々はどのように生きているのか。カンボジアの歴史や文化、人々の想いを知る事ができる本をいくつかご紹介します。これからカンボジアで何かアクションを起こしてみたいという方にぴったりの本もあります。
1『入門 東南アジア近現代史』
- 東南アジアの国々の現在までの足跡を辿ることのできる一冊。特に、独立から開発独裁期、現在の急速な経済成長についての記述が詳しい。カンボジアにおける内戦や近年の経済成長についての記述もある。東南アジアの現在を理解するために欠かすことができない歴史を学ぶことができる。これからの東南アジア、カンボジアの姿を考える際の参考になる。
2『カンボジアに村をつくった日本人: 世界から注目される自然環境再生プロジェクト』
- 1996年からカンボジアの現地NGOであるIKTTを設立し、カンボジアの伝統である絹織物の復興に取り組んだ筆者が「伝統の森」を完成させるまでの道のりが記されている。著者が目指したのは、伝統技術が仕事と生活に密着した村の再興。しかし、復興計画への道は困難の連続だった。人を育てる難しさ、本来の「支援」の形を考えることができる。
3『RESISTANCE カンボジア 屈せざる人々の願い』
- フォトジャーナリストである著者が、15年のカンボジア取材の集大成としてまとめた写真集。カンボジアは急速な経済成長を遂げているが、著者はあえてその影で闘う人々を捉える。開発プロジェクトの為に十分な補償も与えられず土地を接収される人々、それに抗い政府に抗議する人々などの姿が映し出されている。明るい未来を進んでいると思われるカンボジアの負の側面に目を向けるきっかけとなる一冊。
4『カンボジアで出会いたい100人』
- カンボジアに住み、カンボジアと関わりながら生活をしている100人の人生を紹介するノンフィクションライフブック。カンボジアで、ビジネスや生活をする際のちょっとした知恵や雑学、日本人の視点から見たカンボジアの姿などが描かれている。カンボジアへ行く予定の方であればきっと良い参考となるはず。また、純粋にカンボジアを知りたいという方にもおすすめの一冊。
5『カンボジアを知るための62章(エリア・スタディーズ)』
- カンボジアを知るうえでまず読んでおきたい。カンボジアの歴史や文化、政治経済など幅広い分野を網羅的に含んでいるので、カンボジアに馴染みのない方であれば、カンボジアを深く知る良いきっかけになる。内容は簡潔にまとめられているので、肩肘張らずに読み進めることができる。本書を読んでから、興味のある部分を掘り下げていくという楽しみ方もできる。
6『微笑みの祈り』
- 社会派仏教のリーダー格であるマハ・コサナンダ師の法話集。師は、サケオ、カオイダンなどすべての難民キャンプに寺院を建立、仏法を説き、内戦後の復興に尽くした。シャンティも図書館活動や仏教書の復興を通して共に活動していた。
7『人はなぜ人を殺したのか ポル・ポト派、語る』
- 多くの国民を飢餓や長時間労働による病気、虐殺で死に追いやったのはなぜか。共同通信社の記者である著者が、プノンペン支局駐在中の2001年からポル・ポト派の元幹部と、その親友や妻など身近な人へインタビューを行った。それぞれの立場から「あの時代」を語る。
8『最初に父が殺された ―あるカンボジア人少女の記憶―』
- カンボジアの首都プノンペンで家族と共に平穏な暮らしを送っていた5歳の少女ルオン。しかし、ポル・ポト派のプノンペン進攻により、彼女の運命は大きく変わる。家族との別れや子ども兵士としての苛酷な訓練。悲惨な歴史として語られるポル・ポト政権下のカンボジアを、一人の少女の視点から描いたノンフィクション小説。2017年にアンジェリーナ・ジョリーが監督を務め映画化されている。
9『カンボジア(世界のともだち)』
- カンボジアのプノンペンに住む少女スレイダーの生活を鮮やかに追う写真集。決して楽な暮らしではないが、スレイダーは笑顔を絶やさない。カンボジアの子どもたちの現状を考えさせられると共に、日本が彼らに学ぶべきところが必ず見つかるはず。カンボジアの子供たちの何気ない日常を垣間見ることができる一冊。
いかがだったでしょうか?日本との結びつきも強いカンボジアの意外な側面や、その歴史について理解するきっかけになるかもしれません。気になる一冊があれば、ぜひともご一読ください!
【選書・書籍紹介】シャンティ国際ボランティア会 広報担当インターン
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