ミャンマーの塾
ミンガラーバー
ミャンマー事務所新年初めてのブログとなります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
ミャンマーに来てもうすぐ1年と半年になろうとしています。
ピーという場所にいて個人的に感じるミャンマーの教育の実態を皆さんにお伝えしたいと思います。
「塾」についてです。
ミャンマーには小学校から大学レベルまで、教育の各段階で塾が存在しています。
50過ぎのシャンティのスタッフが子どもの頃は塾はなかったと話していることから、
塾の存在感が増したのは近年のことであろうと推測できます。
日本と大きく異なる点は2つ、
1.学校の先生が塾でも教えている。
子どもたちは学校と同じ先生の下で教わることがほとんどです。
もちろん有料です。
そのためお金がないと塾には通えません。
貧しい家庭の子は塾にはいけません。
さらに先生は学校で、塾に来てくれている子の勉強を優先する傾向があるので、
塾に行ける子/行けない子で学校内でも不公平が生じます。
法律では学校の先生が塾で教えることは禁じられているものの、
自分の子どもに良い成績を取らせたいと願う親の強い要望ゆえに
現実には塾は存在し続けているようです。
2.暗記中心であること。
塾といっても創造的なクラスや科学実験を行うラボのようなものであることは稀で、
基本的には暗記のための勉強をすることが多いようです。
ミャンマーの教育を測る試験が暗記中心のものなので、
普段の授業でも塾でも暗記中心の学習になっています。
学校に行くと算数の時間で先生が黒板に書いた計算の答えを
大声で復唱する子どもたちの姿を見かけます。
暗記中心の学習こそが大事だと思っている親や先生は、
子どもたちを図書館に送ろうとは思ってくれません。
シャンティが支援した図書館のスタッフが、
平日は子どもたちが塾に行ってしまうのよと吐露することがあります。
放課後、塾が終わる頃には図書館は閉館してしまっています。
小さい子どもが一人で図書館に来ることは難しいので、
大人たちの学習・図書館への認識が子どもが図書館に来てくれるかを左右してしまいます。
現行のミャンマーの教育制度では、
暗記中心の教育が評価されるようになっているので、
今すぐこれをやめろというのは効果的ではありません。
暗記も大事かもしれないけど、
図書館で本を読んだり読み聞かせを受けることも楽しいよと説明し続けることで、
大人たちの認識を少しでも変えていければと思っています。
現に図書館での児童サービスに興味を示してくれる人たちは存在しています。
今年はもっとそういった理解者を増やしていきたいです。
今年もミャンマーの教育改善のために頑張って参ります。
ご理解とご協力どうぞよろしくお願いいたします。
ミャンマー事務所
山田