世界の絵本を読んでみよう「特別な子ども」ラオス
シャンティ国際ボランティア会は、良質な本が少ないアジア各国・各地域で独自に制作した絵本を出版しています。子どもたちへ質の高い絵本を提供できるよう、現地の作家やイラストレーターを対象とした専門家による研修を実施したり、少数民族たちに口頭で伝承されてきた民話などを絵本にまとめる活動を行っています。
今回、ご紹介する絵本は、2014年にラオスで出版した「特別な子ども」です。
「特別な子ども」表紙
むかしむかし、子どもに恵まれない夫婦がいました。夫婦は毎日、神様にお祈りをしていました。
ある時夫婦は、木の下で赤ちゃんを見つけ、家に連れて帰りました。水浴びをさせると、赤ちゃんにかかった水が金銀に変わったのです。
金銀がもっと欲しくなった夫は、水をかけ続けました。妻はかわいそうな赤ちゃんを夫から取りあげて、温めてあげました。
またある日、妻が出かけると、その隙に夫は赤ちゃんにたくさん水をかけました。
家に帰った妻は夫をとがめました。すると突然、強い風が吹いて、赤ちゃんはさらわれてしまいました。
家にあった金銀も、すっかり消えてしまいました。夫は自分の欲深さと悔やみ、それからは夫婦で一生懸命に働いて暮らしました。
「世界の絵本を読んでみよう」シリーズ
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.304 (2020年春号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
まだ本を知らない子どもたちへ届けるために
シャンティは、本が足りないアジア各国で、絵本を出版する活動を行っています。出版絵本は、日本の個人、企業、団体のご支援をいただき、現地で制作、出版しています。出版した絵本は、シャンティによる研修を受けた教員や図書館員がいる学校、図書館などへ配布、配架され、子どもたちの手元に届けられています。
一人でも多くの子どもたちに絵本を届け、子どもたちが生きる力を身に着けられるよう引き続き取り組んでまいります。ぜひ、活動へのご支援をお願いいたします。
読み終えた本がありましたら、ぜひ集めて送りください。集めてお送りいただいた本の買取額が、アジアの子どもたちの教育支援の寄付になる「本で寄付するプロジェクト」を行っています。