2020.09.25
読み物

移り行く時代の中で、未来へと受け継ぐもの ラオス・文化や伝統を守るフェアトレード

「シャンティ」特集記事
クラフトエイド
ニュースレター
ラオス

ラオスに暮らす少数民族モン族の人たちの伝統的な刺繍を通して、移り行く時代の中で、未来へと受け継ぐものについてご一緒に触れてみたいと思います。

文化や伝統を守るフェアトレード 50の少数民族が共存する国ラオス

文化を守るため、民族の伝統的な刺繍や柄を生かした製品を開発し、販売するフェアトレード事業「クラフトエイド」を行っています。1985年、当時タイにあったバンビナイ難民キャンプで、ラオスから逃れてきたモン族が作っていた刺繍を日本に持ち帰り、難民支援バザーを開いたことからクラフトエイドが始まりました。モン族はラオス、タイ、ベトナム、中国に暮らす山岳少数民族です。漢民族から迫害を受け、ラオスを追われる形でタイにあった難民キャンプに避難してきました。文字を持たないモン族は、自分たちの生活様式や民族の歴史を刺繍で、身につけて持ち運べる衣装に残してきました。

伝統を守る気持ちが強いモン族も社会変化の波を受け、普段は洋服を身に着け、刺繍人口もどんどん減っています。民族の伝統とアイデンティティを残すため、クラフトエイドはモン族の伝統的な柄はそのままに、多くの商品を発注することでその手助けとなるよう努めています。

クラフト商品紹介

クラフトエイドの人気商品に、「ラオスの森」シリーズ、「シビライ村」シリーズがあります。どちらもラオスのモン族の手刺繍アイテムです。

シビライ財布

シビライ財布

シビライ村は、難民キャンプからラオスのヴィエンチャン郊外に村ごと帰ったモン族の村です。公平に賃金が行き渡るよう村の女性全員から買い取っています。シビライ村の女性たちによる刺繍のアイテムはこちらからご覧いただけます。

 

ラオスの森ポーチ

ラオスの森ポーチ

文字を持たないモン族は、刺繍で民族の歴史や文化を記録しています。女性たちが絵を描くように刺繍した森の動物たちが特徴です。「ラオスの森」シリーズのアイテムはこちらから覗いてみてください。

※本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.296 (2018年夏号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。