アフガニスタンの学校の始業式
サラーム・アレイクム سلام علیکم!(あなたがたの上に平安がありますように)
東京では、例年より若干遅く桜が咲き、春の訪れと共に新学期が始まりました。実はアフガニスタンでも、多くの地域で日本と同時期に小学校男女及び男子中学校の新学期が開始しました。
本ブログでは、アフガニスタンの始業式の様子について紹介します。
アフガニスタンでは、その土地の気候によって学校の始業式がそれぞれ9月と3月に分かれます。暖かい地域では9月6日、寒い地域では3月23日と設定されています。また、国の公式のカレンダーでは、3月23日が教育の日となっています。
アフガニスタンの始業式は、県や地区の施設で行われ、元大統領や大臣等、政府関係者も出席します。始業式では、政府関係者やコミュニティの代表者による開会の挨拶、国歌斉唱、児童・生徒による演劇の披露、アフガニスタンの伝統的な布を纏った児童・生徒達による「タラナ(歌唱)」等のプログラムが行われます。式典の最後には、大きな鐘を鳴らして正式に新学期が開始となります。日本の始業式と比べると、アフガニスタンの始業式はより盛大で大々的に行われていることが分かります。
学校関係者は、新学期が開始するまでに、年間計画の準備や新入生のクラス分け、学校の装飾等の様々なイベントの準備に忙しくしています。また、保護者は、新しい洋服や学用品を購入したり、学校まで子どもの見送りをしたりする等、同様に忙しく過ごしています。
2021年の政変前のアフガニスタンでは、春になり新学期の季節になると、学校が始まることへの期待で心を弾ませる人々の姿があちらこちらで見られました。
政変が起き、多くの子どもたちが教育の機会を失ってからは新学期時期の雰囲気も変わってしまいました。政変から2年半以上が経った今、未だ中学生以上の女の子たちは学校に通って勉強することが許されていません。その間、彼女たちは簡単に外に出ることもできず、家の中で学校が再開されることをずっと願ってきました。そんな彼女たちのために、多くのアフガン人が学校の再開を切望しています。
アフガニスタンの文化や宗教において、女性が男性から教育を受けたり、病気やケガの治療を受けたりすることが許されていません。特に妊婦さんたちは、自分の身体と赤ちゃんを守るために女性医師の存在を必要としています。つまり、女子教育の制限は、女の子たちの夢を遠ざけるだけではなく、助けを必要としている全ての女性に影響を及ぼすことになるのです。
シャンティは、そんな状況だからこそ、学校に通えない子どもたちのために本や図書館を通じた事業を継続的に実施しています。
一日でも早く、中等女子教育が再開されることを願っています。
アフガニスタン事務所