2022.03.23
読み物

アフガニスタンの新年のお祝い、ナウローズ

アフガニスタン

サレナウ・モバラク!(ダリ語で「あけましておめでとうございます」)

ナウローズはアフガニスタンの元日で、今年は3月21日がこの日にあたりました。アフガニスタンの人々は、古くから毎年この日を祝ってきました。今回は、このナウローズについて皆さんにご紹介したいと思います。

 

ナウローズには、人々は旅行に行って美しい自然を楽しんだり、家族と一緒にさまざまな料理や飲み物を楽しんだりします。また、家族や親戚と集まって、ハフスィーンという縁起物を飾ったテーブルを囲みます。

毎年、この時期には、国中の多くの人が、アフガニスタン北部の都市マザーリシャリーフのモスクを訪れます。また、この地域は、この時期になるとチューリップが咲き、一面が赤と緑で埋め尽くされ、とても美しい眺めになります。ここでたくさんの人が乗馬をして楽しみます。

 

ナウローズには、女性たちが、サブジ・チャラウ(ほうれん草の炒め物とごはん)、カブリ・パラウ、魚のフライ、ミートボール・チャラウ、サマナク、ハフミワなどを作ります。

カブリ・パラウ

↑カブリ・パラウ:レーズン、ニンジン、ごはんの炒め物

ミートボール:チャラウ

↑ミートボール・チャラウ:ミートボールとごはん

サマナク

↑サマナク:小麦の根と小麦粉、水を混ぜて煮たもの。昼食と夕食の間のおやつとして食べられます。

ハフミワ

↑ハフミワ:ナウローズによく食べられるお菓子で、レーズンやピスタチオ、くるみ、オリーブなどの7種類のドライフルーツを柔らかくなるまで煮たもの。朝食や間食として、アフガニスタンの人々がよく食べます。

ジャラビという甘いスナック菓子も多くの人が愛するナウローズのお菓子です。ナウローズクッキーやタンドリークッキーなどを焼いて、親戚をもてなす人もいます。婚約をしたカップルや新婚夫婦が、これらの料理やお菓子を作り、新婦の家族に贈ってもてなすのが、アフガニスタンの伝統となっています。

 

昨年からの政変により、今年のナウローズは例年のものとは違うものとなりました。タリバン暫定政権がナウローズなどの祝い事を認めていないためです。タリバンはナウローズを公式な祝日として認めず、この日もいつも通り働くよう命じました。

タリバン暫定政権前は、ナウローズは3日間の祝日で、1日目がナウローズ(元旦)、2日目が自然の日、3日目が教育の日と定められていました。教育の日には、教育省などの教育関係者が集まり、鐘を鳴らして新年度の始まりを知らせていました。

今年は、多くの人がタリバンの意向に反対し、家の中でお祝いをしたり、自然を楽しみに行ったりしました。しかし、経済状況の悪化によって食べ物などの物価が上がっており、また、何か月も給料を支払われていない人もいるため、ドライフルーツやお菓子などのお店は例年のようには繁盛していませんでした。

例年のように家族で集まっておいしい料理を囲んで新年を祝うことが難しい人が大勢いる現状を、とても残念に思います。この状況が一刻も早く改善し、人々が再び家族と集まり、お祝いができる日が来ることを願っています。