裕太のHello、優太のGoodbye
こんにちは、はじめまして。
ミャンマー(ビルマ)難民事務所で長期インターンをさせていただいています山中裕太と申します。これからしばらくお世話になるということで、簡単にこれまでの自分についてと、到着してからの一週間の間で感じたこと、そして現在の心境について少し述べさせていただきたいと思います。
私は大学を今年の3月に卒業をしました(ちなみに専攻は哲学でした)。将来は難民問題や途上国の教育問題に携わっていきたいと考え、すぐに大学院へ進学するつもりでいましたが、「現場」の雰囲気を先に感じたいと思い、こちらでお世話になることを決めさせていただきました。
また、個人的に散歩が趣味のひとつなのですが、このメーソットの街は散歩をしていると様々な発見をすることができます。なかでも、これまでの諸先輩方も記述している通り、街に溢れる言語の多様性にはとても驚かされています。ここでは普段日本に暮らしていると感じにくい民族意識やアイデンティティといったものを、皆がしっかりと持っているような印象を受けます。まだ話し相手がどの言語を使っているのかもわからないような状況ではありますが徐々に覚えていきながら、街中で人との交流を楽しめるようになりたいと思っております。
インターン期間でできることは限られているかもしれません。また、今はまず目の前の作業をしっかりとやり遂げることや事業に関する勉強をさらにしていかなくてはなりません。しかし、先日はじめて難民キャンプを訪れたときに見た、(あくまでも一時避難所という位置づけではありますが)人々のいきいきとした生活を身近で支える仕事にこれまで以上の魅力をここで感じ始めています。そのため、これからは試行錯誤や(ときには失敗)を重ねながらも、少しずつできることを増やし、人間的にも成長ができたらと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします!
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所インターン
山中 裕太
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ハラゲー、ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所インターンの相波です。
いよいよ今週が、10ヶ月間のインターンシップの最終週となりました。このインターンシップを通して、感じたこと・学んだことはまだまだ整理ができていません。が、この経験を一言で表すと「出会い」だったな、と感じています。
修士論文「難民の自発的帰還の問題点とミャンマー(ビルマ)難民問題の展望」を執筆している時に、偶然見つけた当事務所の募集に応募はしたものの、帰国して就職をすぐにしたほうがいいのではないかという思いが全く無かったわけではありません。しかし、この10ヶ月間「まわり道」をしたことにより、「まっすぐな道」を歩んでいれば一生出会うことのなかった人々と交流を持つことができました。
ミャンマー(ビルマ)難民はもちろん、メーソットでできた多くの友人、他団体で難民キャンプや移民地域で活動する国籍もバックグラウンドも多様なスタッフ、ミャンマー(ビルマ)に陸路で入るためにメーソットに滞在していた旅行者等々、本当に色々な「出会い」の連続でした。
「まわり道」と書きましたが、そもそも応募当時から国際協力・人道支援に将来的に携わりたいと考えていましたので、その「第一歩」として捉えていました。ただ今インターンシップも終盤になって思うことは、この経験をどう次に繋げ、活かしていくのかが重要だということです。
難民キャンプへの数十回に及ぶ訪問を通して、多くの子どもたち・青年に図書館で出会いました。まだ文字は読めないけれど、絵を指差して「これはイヌ」「これはネコ」「これは・・・」とカレン語を一生懸命教えてくれる子や、おはなしを熱心に聞く子どもたち、歌やお絵かきといった図書館活動に笑顔で取り組む子どもたち、機会の少ない難民キャンプにおいて「図書館青年ボランティア」として学業と両立しながら図書館活動を手助けしてくれている青年ボランティア。難民キャンプに行くたびに、彼らから元気をもらい、そして、明るくポジティブに生きることの楽しさを教えられました。
しかしながら、ミャンマー(ビルマ)難民には明るく希望に満ちた将来が待っているわけではありません。近年の難民キャンプに対して減少する支援・関心、難民に根付く政府に対する不信感、土地問題や地雷除去問題、帰還後の住居・職・教育等、問題は様々です。一方で、国内のこれから難民が帰還するかもしれない地域には、以前から生活を営んでいる人がいるというのも事実です。仮に帰還が開始したとして、いわば「国を捨てて逃げた外部者」である帰還民と、紛争・軍事政権化の圧政に耐えてまで暮らしてきた人々との間に、間違いなく摩擦は生じるはずです(もちろん一概に言えないことは理解しています。家族との再会を喜ぶ人たちもいるでしょう)。
10ヶ月、しかも難民帰還に関する議論が加速し始めた時期にここでインターンを経験したことで、「継続的」な支援の重要性、そしてそれが難民から必要とされていることだと実感しました。「読書を楽しむ・本を借りる」以上の意味を持つコミュニティー図書館は、帰還後の地域でも必要とされていますし、特にミャンマー(ビルマ)の将来を担うであろう子どもたちにとって欠かせない場所なのではないかと感じます。帰還をして、「自由な世界」に身をおくことで、彼らが様々な問題(ドラッグ、飲酒、暴力等)に手を染めてしまうこともあり得ます。地域のコミュニティー図書館は、子どもたち・青年が様々な問題に接するリスクを軽減するだけでなく、コミュニティーの人々が集う場として機能すれば、教育機会の提供だけでなく、紛争後社会における帰還民の地域再統合の一端を担い、レジリエントな社会構築にも貢献しうる可能性を持っていると思います。(あくまで、一個人としての考えです)
話が多少飛躍してしまいましたが、この地域で得た「出会い」を糧に、どのような形であれ、困難な立場にある人々の目線に立った国際協力活動というものに携わっていきたいと考えています。ここでの経験が無駄にならないように努力はしますし、絶対に無駄にならないと確信しています。
タブルー・パー・ドー!コップ・クン・カップ!
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所インターン
相波 優太