2017.08.16
読み物

第二回「図書館にいる人びと」

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ
人びとの声
図書館

こんにちは。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所から、第二回目の「図書館にいる人びと」をお届けします。先月投稿しました第一回目はこちらからお読みいただけます。

そして今回も、さらに3名の「図書館にいる人びと」を皆さまに共有したいと思います。

●「図書館にいる人びと」のストーリー

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「私の名前はサ・トゥ・ゴーです。26歳です。カレン族です。ウンピアム難民キャンプに2011年か2012年ごろに来ました。
そして、2012年には高校を卒業しました。より多くの経験を積むために、2年間ほど国境付近に学びに行きました。その後コーラー短期大学を卒業しました。
今、ウンピアムで図書館担当者として図書館で働き始めたところです。この仕事に関する経験は何もありません。しかし、私は学び理解することに努め、それによって多くを学習し理解を深めようと思います。
これが私の気持ちで、今ここに加わり、学んでいるところです。」
―2017年6月、ウンピアム難民キャンプにて


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「私の名前はラー・キュ・ポーです。22歳です。私はカレン族です。今、私はプドープラヤ短期大学で勉強しています。
図書館には、たいていは時間のある時に来ます。例えば土曜日です。週に2回ほど訪れますが、あまり時間のない場合、来るのは週に1度の時もあります。
本を借りたり読んだりするため、そして知識や理解をもっと得るために来ます。それはより多くの知識を習得し、英語をもう少し学ぶというようなことです。だから私は図書館に来ます。」
―2017年7月、ヌポ難民キャンプにて


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「皆さん、おはようございます。
簡単に私について紹介します。私はカレン族で、母親は西ポー・カレンです。そして今私には家族がいます。息子は7か月です。家族と一緒に住んでいます。
そして私は特に仕事を持っていません。以前は、キャンプ内の短期大学の先生をしていました。息子が生まれてから、私はいくつか問題があって仕事を続けられなくなったので学校の先生を離職しました。
今、特にすることがありません。ただ息子の世話をして、家の前で小さな出店をしているだけです。時々、コミュニティ内の人びとが助けを必要としているとき、誰かに助けを求められたら彼らを手助けします。
そう、世界難民の日のイベントに日本人の人たちが参加した際には通訳として補佐しました。
時に、このような暮らしをしているので、私たちの頭は鈍ってしまいます。時に、私はもっと知識やスキルを見つけるために図書館を訪れます。これらは役に立つからです。
私たちは若い世代なので、将来私たちを必要とする人びとがいるだろうと考えています。私たちは、義務を果たし、責任を取らなければなりません。
時には、人々は私たちの助けを必要とします。たとえば、政治的な状況や宗教的な事情を共有することや、そのほか多くの方法においてです。
もし私たちが知識を追求しなければ、何も知らない私たちの子どもや兄弟、叔父や叔母など、もし私たちが共有し知らせなければ…。知識は彼ら彼女らにとって、コミュニティにとって、私たちの人々にとって、そして自分自身にとって有益であるでしょう。これか今日私があなたに伝えたかったことのすべてです。
お聞きいただきありがとうございます。あなたに知ってほしいことは、時に私たちは、私たちの人々のために、私自身のために、そして皆のために、意識を高めて知識を探し求めなければならないということです。聞いてください、知識を求め、私たちの生活の未来のために考えるのです。
非常に感謝申し上げます。」
―2017年7月、ヌポ難民キャンプにて


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今回紹介した3名のお話をあらためて読むと、3人ともキャンプ内にある高等教育機関(高校卒業後に進学する大学レベルの学校)との接点があるということに気づきます。
タイ国境の難民キャンプでは小学校、中学校、高等学校、そして高等学校を修了後に進学することのできる教育機関が運営されています。
カレン族が多く居住している7カ所のキャンプには、このようなキャンプ内の大学・短期大学が計13校あり、2017年7月時点において計1488名の学生が在学しています。

そして、そのような学生や教員の方々も時に利用するコミュニティ図書館には、絵本以外にも大人向けの図書や学習の参考図書、そしてビルマ語・カレン語の新聞や月刊雑誌も定期的に届けられています。

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これは先月から今月にかけて各コミュニティ図書館に届けている新聞です。

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そして余談ではありますが、3人目にご紹介した彼に見覚えがあった方がいらっしゃるかもしれません。実は彼自身が話しているように、彼は今年6月に行われた世界難民の日のイベントに参加し、私たちの事務所が作成したイベント紹介動画に登場しているのです。

その後ヌポ難民キャンプのコミュニティ図書館を再度訪れた際に、彼はそこでビルマ語の本を読んでいるところでした。そして今度は図書館にいる人びとの一人として、彼のストーリーを共有してくれました。

これからも、子どもから大人まで、いろいろな知識やお話を求めて多くの方々に利用されるコミュニティ図書館であってほしいと思います。

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ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所 田村