ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所より年末のご挨拶
オ・ム・ソー・ポー!(カレン語で、平和や良い人生のための挨拶の言葉)。
ミャンマー(ビルマ)難民事業所所長代行のセイラーです。皆様にこの場でまたご挨拶ができるのを大変嬉しく思っています。
本年の7月に「第3回21世紀パンロン連邦和平会議」がミャンマーで開催されました。この会議には、アウンサン・スー・チー氏率いる国民民主連合(NLD)政権、既に停戦合意に合意している少数民族勢力(カレン民族を含む)、まだ合意に至っていない少数民族勢力が参加しました。そして、連邦政策、安全保障、少数民族の権利、政治におけるジェンダー平等など、様々なことが議論され、合計で14の協定に関しての合意がなされました。
難民キャンプでは、タイ・ミャンマー政府合意の下の帰還が本年5月に行われ、27世帯93人がミャンマーへ帰還しました。帰還の動きはあるものの、このキャンプを支援するNGO全体の資金難は続いており、住民の生活に大きな影響を与えています。また、多くの人がまだミャンマー本国に戻る時期ではないと話しています。それは、規模は小さいものの未だ紛争や戦闘が起きている地域があること、帰還する土地の安全が保障されているのか、仕事の機会があるのか、といったことを人々が心配しているためです。
このような状況ではありますが、これからも図書館事業を通して、平和の心を養える場所、人と繋がりが持てる場所を作っていきたいと思っています。私たちは図書館が、キャンプに暮らす子どもたちに「知る力、学ぶ力、考える力」を提供できると信じています。そして、難民の人々が「今」を生きるために、私たちの最善を尽くしていきたいと考えています。
この場を借りまして、難民の人々、特に子どもたちにとって、本当に大きな意味を持っている皆様の継続的なご支援に、御礼申し上げます。そして、皆様のご多幸とご発展を心よりお祈り申し上げます。よいお年をお迎えください。
所長代行 ジラポーン・ラウィルン(セイラー)
楽しく図書館に通う子どもたちと、
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所スタッフ一同より、2019年もよろしくお願いいたします。