【世界の現場から AIR MAIL】Fromカンボジア事務所
シャンティ国際ボランティア会は、アジア6カ国8地域に事務所をかまえ、教育文化支援を行っています。各国、各地の海外事務所から、現地の状況やシャンティの活動についてご紹介します。
今回は、1991年に事務所を開設して以来、278の小学校と幼稚園の校舎を建設し、2020年は新たに4校の建設を進めるカンボジア事務所の現在をご紹介します。
学校の建設作業に加え、校内環境の向上を目指して
現在、私たちはプーサット州のヴィール・ヴェン郡の2校、バッタンバン州のバベル郡で2校の建設を進めています。学校建設のほか、校内環境向上のための植樹活動やトイレ研修会の実施、環境に優しい下水設備など衛生環境向上を含めた活動を行っています。
活動対象地域のヴェール・ヴェン郡は、政府や団体の支援が届きにくく、トタンや廃材を使用した簡素な木造校舎の学校も多い場所です。また、子どもたちの多くが学校へのアクセスが困難なへき地で生活しており、特に貧しく、生活環境が厳しい子どもたちの中には、思うように通学できず、留年や退学する子どもたちもいます。地域内にある28の学校を調査し、いまだ学校建設の必要性が高い学校が多数あることが分かりました。
Hot Topics
1.学校が閉まっている間の子どもたち
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全ての学校が一時的に閉鎖されました。子どもたちは自宅で教育省がテレビやインターネットを通じて配信した授業動画を見て勉強しています。また、ときどき先生が生徒の家を訪問しフォローアップを行っています。しかし、貧しい家庭では、自宅学習の機会を確保できず、家族の仕事の手伝いをしなければならない子どもたちもいます。
2.活動への新しいアイデア
同僚たちと一緒に水耕栽培システムのトレーニングコースに参加しました。将来、コミュニティへの普及促進活動を通じて、より安全で安定した生産ができるよう練習と試験を行っているところです。
3.学校支援委員の声
学校支援委員会のメンバーのひとりは、すべての子どもたちが、適切な教育を幼稚園や小学校から受けられるようになることが夢だと話します。「新しい校舎で教育を受けることは彼らの将来にとって貴重なチャンスとなります」との声を聞くことができ、やりがいを感じます。
子どもたちに環境の良い学校へ通える機会を
学校建設は、子どもたちに安全で衛生的な学びの環境を提供するのと同時に、学校スタッフや学校支援委員会による効果的な学校マスタープランの実施をかなえる事業です。子どもたちが将来、社会や地域の発展、家庭の生活向上に貢献できる力を身につけられるよう、今後も支援の手を広げていきたいと思います。
「世界の現場から AIR MAIL」
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.307(2020年秋号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。