2025.01.06
カンボジアの国花 ロムドゥオル
こんにちは。カンボジア事務所のソフィアビーです。
今回は、カンボジアの国花であるロムドゥオルについてご紹介します。
ロムドゥオルの花は、アジアの多くの国において文化的・歴史的に非常に価値がある花です。カンボジアでは、美と再生を表すと同時に、仏教やキリスト教などの宗教においても重要視されています。そしてカンボジアでは、2005年にロムドゥオルが国花として定められました。
ロムドゥオルは非常に良い香りがするため、カンボジアでは古くからリップバームの材料として使われてきました。さらに、ロムドゥオルはさまざまな病気への薬としての効果も持つほか、その幹が建築資材や薪として加工されたり、森の近くの住民が花を摘んで地元の市場で売ることもあり、日々の生活にも役立っています。
ロムドゥオルは、カンボジアの広範囲に自生している植物です。花は黄色から赤みがかった色をしています。特に夕方になると、ジャスミンの花のように遠くからでもわかる甘い香りがします。
12月から3月にかけて開花し、種子を含んだ緑色がかった丸い小さな果実をつけます。熟すと果実は黒くなり、甘酸っぱい味がします。歌や詩、散文などにおいて、ロムドゥオルはしばしば「美」の比喩として使われ、カンボジアの文化において、重要な役割を果たしているのです。
農業面においても、ロムドゥオル米という品種が多く輸出されています。ロムドゥオル米は長くて滑らかな粒とやわらかい食感で知られており、1999年からカンボジア農業開発研究所によってカンボジア国内の農家に広められてきました。現在、ロムドゥオル米はカンボジアの農家の間で人気が高く、国内外の市場において盛んに取引されています。
プノンペン事務所 総務/コーディネーター ソフィアビー