より教育が届きにくい人のために
ラオス事務所の伊藤です。
先月、SVAラオス事務所でラオス人職員へのある研修を行いました。
「障がいをもつ人の人権と平等”Disability Rights and Equity”」に関する研修です。
当地で、障がい者の支援を行っているHandicap Internationalという英国の団体との共同事業で講師を無料派遣してくれました。
この研修はより多くの人が出席し、参加型で意見を交換していうことが重要ということで、さらに日本のNGOで当地で活動する「ラオスのこども」と「難民を助ける会」にもお声掛けし、当日は、総勢22名が参加しました。
まず、障がいを持つ方々が感じる物理的バリアを実体験するセッションから始まり、
健常者にはなかなか感じにくい、社会のバリアについて、議論し、
障がいを持つ方々を対象にした事業案を作ったりもし、
そして、権利についても、話し合うこの2日間の研修。
実は、6月に、マネージメントレベル用研修として私と仁井職員も受けたのですが、参加型のワークショップで、価値観もおおっぴらに議論をし続けるのはとてもハードなものです。
ただ、ラオス語で実施し、ラオス人同士のひとなつっこさからなのか、
始終、会場からの笑い声が絶えずに、私が通常業務をする席まで聞こえてきました。
この研修を実施した目的は、SVAの事業でも、きちんと、
社会的弱者、バリアがより大きい方々のために、
しっかり配慮した事業を行うため。
たとえば、SVAが建設した小学校や公共図書館は、障がいを持った子どもが入りやすい施設になっているか?
何か、無意識に、教育へのアクセスを阻んでいるものはないのか?
あるいは、直接できることはないのか?
そういった視点を事業に入れていくためです。
こうして日々、学習する必要があるのは私たちも同じです。
そして、一歩先に研修を受けた直後から、次の活動計画には、こうした視点を入れていっています。
ご自身が障がいをもつ職員も他のNGOから参加されていました。
2日終わった時、SVA職員が口々に報告してくれました。
ラオスがここまで対応できていないとは思っていなかった、、。
法律で保護すべき、、。
深い議論ができたのでしょうか。
職員たちの学んだ自信に満ちた顔が、次の事業への期待です。
きちんと、子どもたちが学校に通えるように。
利用者が使いやすい図書館になるように。
同時に、この2日間、普段、NGOの横のつながりはあまり無いラオス人職員もたっぷり意見を交わし、さらに、所属団体が日本のNGOだという共通点もあってか、親しくなった様子。
ブレイクやランチの際にも、時間を惜しむように交流している姿がみえました。
会場を提供したホストとしての自覚も見え隠れし、、。
頼もしくなってきたなあ、、。
一方で、後日、ラオス事務所のスタッフ有志が、週一回の手話の入門講習を受けることにしたそうです。
「いつまで続くの?せっかく始めたら途中で投げ出したらダメですよ。」と、いう私に、「無料講習期間は、12月いっぱいまでだから、それまでですよ」との回答。
コミュニケーションをとれるようになること、重要な視点です。
まずは、勤務後、事務所の一室で有志が学ぶことになりました。
今月は、20周年記念スタディツアー。そして、20周年記念パーティを開催します。
いつも初心を忘れず、職員一同、一歩一歩、進んでまいります。
ラオス事務所・伊藤解子