2016.01.23
読み物

ある村での一日。

ラオス

サバイディー(こんにちは)!
ラオス事務所の山室です。

先日、事業地・ヴィエンカム郡のある村に密着して、村の人たちがどのように暮らしているのか、五感を使ってじっくり知ることができました。

早朝からにわとりの鳴き声が響く村。

早朝からにわとりの鳴き声が響く

朝6時、まだ日が昇らない薄暗い中、一番最初に目覚めるのはお母さん。
簡単に身支度をしたかと思うと、土間へ行って、火を起こし始めました。
パチパチパチ、トットットッ、朝食づくりの音が聞こえてきます。

間もなく、子どもやお父さんが起きてきて、水浴びをしたり、遊んだりします。
そして朝食。

朝食が終わると、子どもは近所の友達と学校へ。
お父さんとお母さんは、いつもは畑へ行くそうですが、この日は家にいました。
お母さんは箒づくりをさっそくはじめ、お父さんは魚を捕まえる仕掛けを竹で作りはじめました。

箒づくり

魚を捕まえる仕掛け

その後もお母さんは掃除や洗濯などの家事で忙しそうですが、時間ができるとずっと機織りをしています。できあがった織物は、市場で売ったり、買い付けにくる商人に売ったりして家計を助けています。

機織り

お昼、子どもが帰ってきました。
ラオスでは、お昼ごはんは家族と一緒に食べる習慣があるため、子どもも一旦学校から帰ってきます。

午後、お父さんは用事でどこかに行き、お母さんは引き続き機織りをしています。
夕方、子どもたちが帰ってきました。するとさっそくポリタンクを持って家を出て行きました。
行き先は、貯水槽のある水汲み場です。ここで体を洗ってから、ポリタンクに水を入れて家に持って帰ります。
その水を使って、ごはんの支度が始まりました。隙をみては近所の友達と遊ぼうとする子どもに、お母さんから「ほら!手伝いなさい!」と喝が入ります。

お父さんも帰ってきました。
この時期は夕方になると冷えこむので、家の前で火を起こし始めました。
寒いときは3度近くにまで冷え込む山の中。暖をとる方法は焚き火です。
近所の人も集まってきて、ラオラオ(焼酎)を飲んで世間話をしながら体を温めます。

ようやく夕食です。
家族の他にも何人か近所の人も一緒に食べています。
ラオスでは「ごはん食べた?」「ごはん一緒にいかが?」が挨拶代わりなほど垣根がありません。
お母さんがごはんを作っていても、お父さんが別の家で食べていることもよくあります。

夕食の片付けをした後は、ようやく自由時間。
お母さんもご近所の奥さんたちと話したり、その横で子どもは元気に友達とボール遊びをしたりしています。

夜9時ごろ、家の中を箒でささっと掃除して、布団を敷いて、就寝です。

一日を通してみると、お母さんがいかによく働いているかがわかります。感謝ですね。
お母さんによれば、時々子どもが学校から絵本を借りてきて、夜に読んでくれるそうです。
お母さんにとっての自由時間がわが子の成長を感じながらゆっくり過ごせる時間になる。
そんな素敵な時間を作り出せるお手伝いを私たちも絵本を通してできていたことに嬉しさを感じました。

ラオス事務所 山室仁子