托鉢でラオス文化を体験
サバイディー(こんにちは)!ラオス事務所の山室です。
今週、ASEAN議長国であるラオスに、ASEAN10カ国の首脳+日米中などの首脳が集まります。首都ヴィエンチャンは、一部道路を封鎖したり、学校や省庁なども休みになったり、厳戒態勢がしかれるようです。また巷では、オバマ大統領が米大統領として初めてラオスを訪れるとあって、話題となっています。オバマ大統領は古都ルアンパバーンも訪れる予定で、ラオスの文化にも触れるそうです。
そこで、前置きが長くなりましたが、今日はラオス文化のひとつ、托鉢を紹介したいと思います。
古都ルアンパバーンはたくさんの仏教寺院があり、托鉢自体は毎日行なわれていますが、毎日喜捨を行なっているのは主に年配の女性です。ただし、年に何度かある大きな仏教行事の日には、大規模な托鉢が行なわれ、老若男女が家族と一緒に、道端やお寺で、鉢を持った僧侶に喜捨をします。
私も先週、久しぶりに托鉢で喜捨をしました。先週は、サートゥと呼ばれる、日本のお盆に似た故人を偲ぶ大きな仏教行事の日でした。故人の魂が現世に戻ってきて家族と過ごし、またあの世へ戻っていくそうです。この日は托鉢の前(朝5時頃)に、シャンティのラオス人職員と、まず家の四隅にお線香とお供え物をして、故人に「どうか家をお守り下さい」と祈りました。
本来はバナナの葉にお供え物をのせるそうですが、今回は略式で。
そして、托鉢の準備をして、道路脇で僧侶が来るのを待ちます。ちなみに朝6時頃です。
今回は、もち米、新品のお札、お菓子のほかに、故人(職員のご両親)の好物だった豆乳や卵を用意しました。ちなみに、托鉢のためのもち米は前の晩に炊いて用意しておきます。また、服装はタービアンと呼ばれる布を肩からかけて、女性は巻きスカートのシンを穿いて綺麗な身なりで行なうのが礼儀です。
いよいよ、僧侶が来ました。大規模托鉢の日は、僧侶の持っている鉢がすぐ満杯になってしまうので、周りには喜捨されたものを移す袋を持ったお付の人が(大抵は子ども)が一緒に歩きます。
托鉢をするときのポイントは、まず最初に僧侶の人数をざっと数えておくことです。なぜかというと、用意したお供え物が列最後尾の僧侶まで差し上げきれるように、ペース配分を考えて喜捨するためです。また、次々に僧侶が目の前を通るので、テンポ良く喜捨をする必要があり、結構な集中力を要します。
鉢に入れ終わると、僧侶がお経を読んでくれます。大地の水の恵みに感謝するお経の時には、用意した水を少しずつ地面に流します。そして最後のお経が終わると、僧侶は寺院のある方向へまた歩き出します。
こうして托鉢は終わり、気づけば真っ暗だった空も明るくなりました。托鉢は徳を積むための行為ですが、托鉢を終えた後は自然とすっきりした気分になります。また、ラオス人の信仰心やアイデンティティを垣間見れた気がします。
ラオスで托鉢に参加する機会があれば、上記のポイントを参考にしてみてください。