教材活用についてのトレーナー育成研修会
サバイディー(こんにちは)!
ラオス事務所の山室です。
先日、教材活用についてのトレーナー育成研修会を行いました。
教員養成校の職員やシャンティの職員らが指導官となり、郡教育スポーツ事務所の職員に対してトレーニングしました。今後、小学校教員の方々へ同内容の研修を行うときには、今回トレーニングを受けた郡教育スポーツ事務所の職員がトレーナーとなり、教えていくことになります。これは、郡内の教育を管轄する職員らが主体となることで、小学校教員への指導や助言が適切に行えたり、シャンティがいなくなった後も持続できることをねらいとしています。
「教材活用」といったときの「教材」ですが、今回は3本立てです。
まず、ラオス語のフラッシュカード。
次に、絵本や紙芝居といった読書教材。
そして、手作り補助教材。今回は100玉そろばんを採用しました。
これらの教材を「授業で活用すること」に焦点をあてて、補助教材を使う利点や、活用の仕方などを学びます。
昨年出版した紙芝居。
学年に合わせて違った活用方法を考えました。
低学年には読んだ後に、登場人物が人数を数えさせたり
高学年には読んだ後に、物語の要約を書かせる、といった模様です。
そのほかにも、複式学級の授業での絵本活用案を考えてもらいました。
続いて、ラオス語のフラッシュカード。
母音や子音など6種類のカードの基本的な使い方を学び、こちらも、複式学級でどのように使うかを考えて発表してもらいました。
そして、手作り補助教材。
教員養成校に配属されている青年海外協力隊の方に講師になってもらい、身近な材料でお金をあまりかけずに作れる100玉そろばんを紹介して、参加者が作り、その使い方を練習しました。100玉そろばんは10進法を学ぶのに適していて、指で数を数えることが多いラオスの子どもたちに効果が出るかが期待されます。
最初は木材や竹を使って作ろうと計画していましたが、教育省の職員が自らパイプを使ったサンプルを作ってきてくれて、急きょパイプバージョンも参加者で作ることに。中央の職員が積極的にシャンティの事業に参加してくれて嬉しい瞬間でした。
教材は、授業を補助するものであって、それを作ること、使うことが主目的ではありません。授業を楽しく、わかりやすくする。ひとつひとつの教材を多様な方法で活用していく。こういった小さな積み重ねが子どもたちへの学習の質を良くしていくことにつながります。これから始まる研修会での小学校教員の方々の反応が楽しみです。
*本事業は、JICA草の根技術協力事業を通じて実施しています。