NGO職員として働く喜び
猛暑やコロナなど世界で厳しい状況が続いておりますが、皆さまお元気でしょうか。ミャンマー事務所の伊藤よりブログをお届けします。
今日は、自分の話をさせてください。
私が前職の民間企業を辞めて、この国際協力と言われる分野に転身したのは、
「平和で公正な社会を築きたい、そのためには教育の力が必要。」
といった思いから。
ずっと憧れだった国際協力への第一歩を踏めるという意味でも、鼻息を荒くして、シャンティに入職。
しかし、思いはあれど、何をどうやって良いのか分からず、諸先輩方の経験や知識に圧倒されるばかりで、自分にできること、やるべきことは何だろうと戸惑いの連続でした。
そんな入職当初から4年9カ月、さまざま々な経験をさせて頂きましたが、この度一旦シャンティを卒業することになりました。今回は私がシャンティでの勤務を通して感じてきたこと、特にNGO職員として働く喜びに焦点を当てて、私事を共有させて頂きます。
学校図書室事業の対象学校へ地元住民と一緒に向かっている様子
その1 困難の先に見える可能性を感じられる
シャンティに入り、幾多の困難を経験しました。自分自身のこと(これ9割くらい)、事業のこと、現場のこと、開発のこと、教育のこと、最後はコロナ!
学校を建てたり、図書室を設置したり、絵本を配架したり、ハード面の環境が整っても、先生が実際にそれを活用し、子どもたちが十分に絵本を楽しめる様になるまでは、人の育成などソフト面の整備も重要です。また更に、それを他の地域へ展開させたり、政府より普及してもらうなどの体制基盤作りには時間を要します。
それでも、先生、図書館員、地域住民、また政府関係者の方々に一つ一つ私たちの活動を理解をしてもらいながら、同じ方向に向かって動いているんだという実感が持てました。また、地域で始まった読書推進活動が、他地域や全国レベルで認知されるなど、地域に根付いて活動するNGOが生み出せる可能性の大きさについても実感することが出来ました。
地域を、国を、子どもたちの未来を良くしよう、という現地の人たちの気概に幾度となく触れながら、今やっていることは一つ一つが地道で小さいかもしれないけど、きっとこの積み重ねが将来に繋がっているんだと感じられた経験でした。
絵本の読み聞かせに興奮する子どもたち(写真©uta mukuo)
その2 国際協力の醍醐味を味わえる
私は、現場(ミャンマー)での経験をさせて頂いたことは本当に大きかったですが、中でも最も強く感じてきたことは、現地職員と共に働ける喜びでした。彼彼女らの真摯な姿勢と弛まない努力により、くじけそうな時は常に励まされてきました。共に汗を流し、壁を乗り越え、感動し、喜び、言葉や文化の壁を越えて感情を共有してきました。特にミャンマーは国の発展に向けて、今あらゆるものが急速に変化しています。そういった環境下で、草の根から国を一緒に作っていく過程に一部でも携われたということは、何よりも幸せなことでした。
2020年おはなし大会を無事開催を終え、スタッフ一同で集合写真
また、ミャンマーという経済的な発展はまだこれからの国ですが、精神的な豊さまた人々の逞しさは素晴らしく、今私たちが学ぶべきものではないかと感じました。彼らの持っている文化や価値観を尊重しながら、外国人である私が国の真の発展のために出来ること、すべきことは何か、そんなことを常に考えさせられました。
お弁当を嬉しそうに差し出す子どもたち
その3 繋がりを感じられる
最後に何と言っても、私たちの活動は多くの方に支えられているということです。直接的な関わりも間接的なものもありましたが、多くのご支援者様・団体・企業の方々、専門家の方々、イベントなどに来てくださるサポーターの方々、絵本の翻訳シール貼りなどボランティア活動に参加して頂く方々、こうやってブログを見て頂いている皆さまなど挙げ出したらきりがありません。加えて、弊会の長い歴史と共に多くの先輩職員が築いてきた活動の一端を担うことが出来たのは光栄に思います。そういった多方面からの繋がりを感じながら、子どもたちの未来を共に創ることが出来る仕事でした。
この場を借りて、日頃より弊会の活動を支えてくださる皆さまに改めて御礼を申し上げます。
以上、長くまた私事な内容でしたが、本ブログを最後まで読んでくださり有難うございました!また今後は少し違った形かもしれませんが、引続き国際協力に関わらせて頂ければと思っています。
大変な時期でありますが、どうか皆さまのご健康を心よりお祈り申し上げます。
ミャンマー事務所 伊藤杏子
(写真©uta mukuo)