2020.10.29
読み物

難民キャンプで日本の絵本を手にした子ども達

ミャンマー

こんにちは。ミャンマー国境支援事業事務所の山内です。11月7日に開催されるオンラインイベント「国際協力の現場から」はミャンマー国境支援事業事務所から、私達の活動の近況を皆様に報告させて頂きます!ミャンマー国境支援事業事務所はタイ側、ミャンマー側にそれぞれ事務所があり、タイ・ミャンマー国境を対象にした活動をしています。タイ側では難民キャンプを対象にしたコミュニティ図書館活動、ミャンマー側では帰還民の方も暮らすカレン州の村を対象にしたコミュニティ・リソースセンター(以下CRC)事業を行い、双方の事務所職員が協力して活動しています。国を越えた2事務所の体制のため、職員はカレン語、ビルマ語、英語を使い、コミュニケーションを取っており個人的には国際色豊かな事務所だと思っています。
私達はコミュニティ図書館とCRCを通して、絵本を配架しており、多くの子ども達が絵本を読むことや絵本の読み聞かせを楽しみに各施設に通っています。通ってくる子ども達の多くはカレン民族で、私達は「絵本を届ける運動」で皆様に作成して頂いたカレン語の翻訳絵本を各施設に渡しています。もちろんミャンマーでの公用語はビルマ語のため、CRCにはビルマ語の絵本も配架しています。そして、難民キャンプに暮らす子ども達も将来帰還し、ミャンマーで暮らす可能性があるため、難民キャンプの図書館にもビルマ語の絵本を配架しています。
これから開催されるオンラインイベントで私達の活動地で使用する予定の翻訳絵本のワークショップが開催されるということで、今回のブログでは日本からの絵本を受け取った難民キャンプに暮らす子ども達からのメッセージをご紹介したいと思います。

エー・エー・チョーさん(メラマルアン難民キャンプより)
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私は英語を勉強するのが大好きなので、将来は英語を自在に話せるようになりたいです。そして、お医者さんになって英語で患者さんを助けたいと思っています。
図書館には週に3回通っていて、本を読んだり、読み聞かせやゲームをしたりするのが好きです。様々な種類の本がありますが、「オットー 戦火をくぐったテディベア(評論社)」は私の好きな絵本です。一度はゴミとして捨てられてしまったテディベアが戦争下で様々な人々のもとに行き、別れを繰り返した最後に、奇跡の再開を果たすというおはなしです。読んでいてとてもハラハラしますし、悲しい気持ちにもなりますが、その分最後の再開に感動します。色々な本を読むことができる図書館を支援してくださり、ありがとうございます。私たちは、図書館のおかげで楽しく過ごせています。

ソー・ポゥ・トー・トーさん(メラ難民キャンプより)
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僕は両親、2人の姉、1人の妹と一緒に暮らしています。水を運んだり、家の掃除をしたり、服を畳んだりして、家族を手伝っています。空いた時間には、友達と遊んで、図書館に行きます。
図書館には週3回通っています。図書館は僕達に知識を与えてくれます。特に僕は日本の絵本「いいことをしたぞう (偕成社)」が好きです。この本は友達に嘘をついてはいけないことを教えてくれました。また、好きな図書館の活動はお絵かきです。友達を近くに感じて、新しい友達ができるからです。日本の皆さま、図書館を支えてくれ、本当にありがとうございます。僕は図書館に行くことができて、知識を得る機会をもらっています。

ワー・エ・ポーさん(メラウ難民キャンプより)
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私の家は図書館の近くにあるので、時間がある時は図書館に行って、読み聞かせを楽しんでいます。そして、友達と遊ぶことも好きで、かくれんぼをしてよく遊んでいます。
図書館の中で私が好きな本は、今手に持っているこの絵本「うずらちゃんのたからもの(福音館書店)」です。お母さんと子どもについて書かれている素敵なおはなしです。たくさんの事をこの本から教えてもらいました。また、図書館の活動の中では歌が好きです。友達と一緒に歌うのが楽しいのと、体を動かすことができるからです。たくさんの絵本を支援してくれている皆さんに、御礼を言いたいです。もし、皆さんの支援がなければ、ここにあるたくさんの本を読むことができません。本当にありがとうございます。

日本からの絵本は質の良い絵やおはなしのため、タイ側・ミャンマー側どちらでも子ども達に人気になっています。翻訳絵本の作成に興味を持って頂いた皆様、ぜひオンラインイベント「国際協力の現場から」にご参加頂くと共に、2021年1月から受付開始予定の「絵本を届ける運動」にもご参加ください。

ミャンマー国境支援事業事務所 山内