【世界の現場からAIR MAIL】Fromカンボジア事務所
シャンティ国際ボランティア会は、アジア6カ国8地域に事務所をかまえ、教育文化支援を行っています。各国、各地の海外事務所から、現地の状況やシャンティの活動についてご紹介します。
今回は、2013年よりコミュニティラーニングセンター(CLC*)の運営を行ってきたカンボジア事務所の様子をご紹介します。
*CLC=図書館活動を中心としたコミュニティラーニングセンターのこと
子どもも大人も自由に集う、実践的な生涯学習の場へ
2013年から開始したCLC事業は、カンボジアのコンポントム州、シェムリアップ州、バンテイミンチェイ州に計6館あるCLCの運営能力強化のための支援を行っています。シャンティは、カンボジア農村部の子どもから大人まで、すべての人が自由に集える実践的な生涯学習の拠点作りを実施。図書館活動や識字教室、識字後プログラムを利用し楽しく学べる環境が整っています。
CLCで読書を楽しむ人々
Hot Topics
1.都市と農村の格差
20年間における国民総所得(GNI)の年平均成長率が7.5%以上の高水準を達成し、持続的な高度成長を続けているカンボジア。しかし、生活の変化は都市部に集中し、農村部の人々はほぼ変わらない暮らしを続けています。首都プノンペンやシェムリアップなどの都市部を少し離れると、伝統的な農村風景がどこまでも広がっています。
首都プノンペンの風景
カンボジアの農村部
2.CLC利用者の声をお届けします
「中学校のすぐ隣にCLCがあり、休み時間などによく訪れて本を読んだり、友達とおしゃべりをして過ごしています。置かれている多くの本を見るだけで、幸せな気持ちになります。新しい本が届く日が待ち遠しいです。」(ルッ・ソパリンさん、12歳)
運営基盤を強化し地域による運営を目指して
CLCは、みんなが気軽に訪れることができ、好きな本に触れ、自由に遊び、心が満ち足りた状態で家に帰り、そしてまた行きたいと思える場所であることが重要です。2013年に開始した当事業は、2019年が最終年となりました。事業終了後も、地域住民たち自らの力で持続発展できるように、図書の調達・管理から、サービス提供や運営予算の確保など、全6館の運営基盤を強化することが課題です。
「世界の現場から AIR MAIL」
本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.299(2019年春号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。
※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。
シャンティは、子どもたちへ学びの場を届け、必要としている人たちへ教育文化支援を届けています。引き続き、必要な人へ必要な支援を届けられるよう、月々1,000円から継続的に寄付してくださる「アジアの図書館サポーター」を募集しています。