2013.12.04
お寺の取り組み

「カンボジアの仏教文化を訪ねるツアー」報告

スタディツアー

~カンボジア僧侶に学ぶ地域における寺院の役割~

2013年11月24日から30日にかけて、日本の僧侶を中心とした12人の皆さんがカンボジアの寺院・僧侶を訪ねました。

地域開発に奮闘してきたカンボジアの僧侶からその経験を学び、「日本の地域における寺院・僧侶の役割をもう一度見つめなおす」ことを目的とした、スタディーツアーが開催されました。

ツアーは11月24日(日)の深夜、羽田を出発し、バンコクを経由して、翌朝9時にシェムリアップ空港に到着。一息する間もなく、ワゴン車に分乗して3時間。目的地のバッタンバン州に到着。カンボジア料理の昼食の後、いよいよスタディーツアーの始まりです。

先ずはカンボジアの現代史を知るために、ポルポト時代に虐殺場となったバッタンバンで一番有名な霊場プノム・サンパウ(サンパウ山)を訪問。

数百段の階段を上り、頂上の礼拝堂をお参りしてから、少し下ったところにある涅槃仏を祭った鍾乳洞に到着。

ここで虐殺され亡くなった方々の骸骨がまつられた慰霊碑の前でお経をあげ、慰霊祭を行いました。

翌26日朝、バッタンバン市内のカンペーン寺を訪問し、タイ・カンボジア国境で亡くなった方々の遺骨を納めた慰霊塔を訪問し、ご供養しました。

1992年から93年にかけ、約35万人のカンボジア難民が国連やNGOの支援を受けてカンボジア国内に帰還しました。国境で亡くなった人々の遺骨もぜひ祖国に戻してくださいとのカンボジアの人々の依頼を受け、シャンティが実施した事業です。

さて、次はカンボジアの人々、地域のために現在活動中の僧侶・寺院の訪問です。先ずは、1992年にバッタンバン市内のノリア寺で孤児の支援活動を始めたムニー・ヴァンソヴェート師を訪問。

師のセンターを訪問し、子どもたちや村の人々と交流活動を行いました。

ノリア寺のある地域は仏教徒、キリスト教徒、イスラム教徒が混在する地域ですが、師は宗教を超えて、各宗教者と協力して地域の孤児、エイズ患者の支援などの活動を行ってきました。2011年には村人から土地の寄進を受けて、現在の場所にセンターを開設し、孤児を受け入れ、有機農業や周辺農村の貧困家庭の子女のための職業訓練活動などを行っています。

26日の午後は、仏教を基盤にしたカンボジアのNGOでもっとも有名で、人々に影響を及ぼした「開発のための仏教協会(BFD=Buddhism for Development)」を訪問。代表のヘン・ムニーチェンダ氏から、カンボジアの仏教の歴史と寺院の役割についての講義を受け、氏の最新の著作(カンボジア語)をいただきました。

その後、BFDと同じ敷地内にあり、今回のツアーで宿泊し、夕方と早朝の読経や托鉢などの体験をさせてもらうアンロンウィル寺に移動。

夕方5時の鐘の合図で全員本堂に集合。カンボジアの僧侶の読経に続いて、日本の僧侶の皆さんによる読経。

続いて、30分の瞑想。

正午以降は食事をとらないカンボジアの仏教に従い、日本の皆さんも夕食抜きで、夜の交流会となりました。

先ずは、日本の仏教、寺院の歴史や活動などを準備したパワーポイントで紹介。

初めて見る日本の仏教寺院の様子に、交流会に参加したカンボジアの僧侶の皆さんからは質問が続出。2時間の活発な交流会となりました。

夜8時からは、日本の僧侶の皆さんへはカンボジアの僧衣の着付け教室。

みなさんカンボジアの僧衣がよくお似合いです。カンボジアの方と見分けがつきませんね。

女性の参加者にはドンチー(女性の在家持戒信者)の衣の着付け教室。

大変盛り上がり、着付けが終わってからも夜10時まで撮影会が続きました。

翌日、27日は夜明け前の暗闇の中、早朝4時の鐘の合図で本堂集合。昨日の夕方と同じように読経の後、30分の瞑想。

お寺の用意したお粥の朝食をいただいた後、いよいよ9時から4班に分かれて、村の托鉢に出発。

村人が捧げる食事の供養を受けました。

11時からは講堂にて昼食。皆さん自分で托鉢したものを合掌していただきました。

27日の午後のプログラムはバッタンバン仏教大学での交流会。

「社会における仏教の役割と寺院の活動」のテーマの下、日本、カンボジア双方がパワーポイントを使用して発表。

約60名の会場参加者と中身の濃いオープンなディスカッションが活発に行われ、関心の高さが伺われました。

28日は午前中、20年前に日本の皆さんの支援によりSVAが校舎を建設したバンアンピル小学校を訪問しました。

20年前、ここは地雷原に囲まれ、国内戦争避難民と国境からの帰還難民の人々数千人がひしめく村でした。その中に草ぶき小屋の小学校がたった一つしかありませんでした。20年にわたる日本の皆さんのご支援によって、現在では3校舎、図書館室がそろった立派な小学校になりました。

今日は子どもたちとタイヤを使った遊具作り。

日本の参加者の先生による幼稚園の子どもたちとの交流。

SVAスタッフによる移動図書館活動、大型絵本による読み聞かせです。

最後は大縄跳び。地方のカンボジアの元気な子どのたちとの交流に参加者の皆さんも大いにリラックスして楽しんでいました。

小学校を出発し、昼食をバッタンバン市内で取った後、一路シェムリアップへ。

その夜は、ホテルでの振り返りの会+パーティー。

スライドショーでスタディーツアーの初日からを映像で振り返った後、参加者一人一人から感想を伺いました。ツアー初日は少し硬かった皆さんですが、4日間寝食を共にし、お寺での体験もあって、ぐっと親近感が増しました。それぞれに貴重な体験をされたようで、これから皆さんにお願いするアンケートの結果が楽しみです。

御好評であれば、来年もツアーを募集いたしますので、皆さんふるってご参加ください。