【書籍紹介】増補新版『泥の菩薩-仏教NGOの開拓者、有馬実成-』発刊
「蓮の花を咲かせる泥になりたい」
シャンティ専門アドバイザーの大菅俊幸氏の著書、増補新版『泥の菩薩-仏教NGOの開拓者、有馬実成-』(明石書店、大菅俊幸著)が発刊されました。2006年に初版が発刊され、多くの方々に読まれてきました。この度、有馬実成師の思想と実践は後世に語り継ぐべきものという大菅氏の強い思いから、初版から内容を加筆増補し、さらには東京大学名誉教授で上智大学グリーフケア研究所元所長の島薗進先生より解説をいただいて、増補新版を発刊することとなりました。
-本書の帯より-
「シャンティ国際ボランティア会の創設者、有馬実成師――。若いころから民衆と共に歩む宗教家を志し、差別や貧困に向き合い、つねに弱き人々の味方となった人である。地域に根ざした文化活動、在日韓国・朝鮮人の遺骨返還運動に始まり、1980年からはインドシナ難民支援、アジアの教育・文化支援に取り組んだ。その道のりは<けものみち>を切り拓く日本NGOの開拓者の姿に他ならなかった。鎌倉時代の叡尊や忍性の影響を受け、教団仏教の枠を超えた新しい仏教のかたちを示した僧侶、有馬実成師の生涯を描く」
-島薗進先生(東京大学名誉教授・上智大学グリーフケア研究所元所長)の解説より-
「有馬の生涯をたどり、その思想と行動の特徴を理解し、シャンティの創設と展開の歴史を振り返ることによって、多くのことが明らかになってくる。
現代日本の精神史という面からも、日本仏教の捉え返しという点からも、示唆するところのたいへん大きい力作である」
内容構成
序章 |
けものみちを歩いた人「あなたは本当の心の住職でした」 |
---|---|
第一章 |
発露-生い立ち「ぼくがこの寺を嗣ぎたい」 |
第二章 |
起動-民衆と共に歩む宗教者として住職として歩む |
第三章 |
飛翔-国際NGOへの挑戦カンボジア難民キャンプでの活動-JSRCの発足へ |
第四章 |
菩薩-有馬の仏教観弱き人々の救済者、叡尊への思い |
第五章 |
天災-阪神・淡路大震災に学んだこと阪神・淡路大震災の発生 |
第六章 |
寂静-シャンティにかけた願い戦後五〇周年、NGO界への怒り |
解説〔島薗進〕 |
『泥の菩薩-仏教NGOの開拓者、有馬実成-』
発行:明石書店
著者:大菅俊幸
定価:2,750円(本体2,500円+税)
※送料は実費を申し受けます。代金のお支払いは郵便振替でお願いいたします。
著者紹介
大菅俊幸(おおすが・としゆき)
1950年、宮城県生まれ。駒澤大学大学院修士課程仏教学専攻修了。高校教員などを経て、シャンティ国際ボランティア会スタッフへ。現在、同会専門アドバイザー。曹洞宗総合研究センター講師。有馬実成に共鳴し、仏教精神に根ざした社会貢献活動(仏教ボランティア)を探求している。
著書に『慈悲のかたち』(佼成出版社、2017)。編著に『仏教の底力』(明石書店、2020)などがある。有馬実成の遺稿集『地球寂静』(アカデミア出版会、2003)、シャンティの東日本大震災被災地支援の活動記録誌『試練と希望』(明石書店、2017)の編集も担当。
ご注文は、こちらの申込書に記載していただいてFAX(03-5315-4041)で送付いただくか、クラフトエイド(TEL:03-3350-1981)へお問い合わせください。
広報・リレーションズ課 日比