2020.05.27
絵本を届ける運動

絵本が拓く子どもたちの未来ー20周年を迎えた「絵本を届ける運動」

SDGs
取り組み事例
活動風景
絵本

「お菓子より絵本がいい、お菓子はすぐになくなるけど、絵本は何度でも読めるから」

シャンティが活動を開始したカンボジア難民キャンプで、ある少女が言った言葉です。

世界には紛争や貧困が理由で、学校に通うことができない子ども、家計を助けるためにゴミ集積場など厳しい環境で働く子どもがたくさんいます。難民キャンプで生まれ育ち、外の世界を知らない子どもたち。

シャンティはそのような子どもでも1冊の絵本が教えてくれる、知らない世界を知るドキドキ、時間を忘れて夢中になる楽しさ、たくさんの物語や言葉を知る喜びに出会ってほしいと願い、絵本が不足している国や地域に日本から翻訳絵本を届ける「絵本を届ける運動」を開始しました。

 

1999年、カンボジアとラオスの2カ国に届けることから始まったこの取り組みは現在、5か国6地域に広がり、これまでに266タイトル、31万2236冊の絵本を届けました。日本の絵本に現地語の訳文シールを貼り、翻訳絵本を作るこの活動に参加した人はこれまでに24万人を越えます。近年は、SDGs(持続可能な開発目標)達成のための具体的な取り組みとして、毎年200を超える企業団体にご参加頂いております。

 

届けてきた絵本は親から子へと愛されてきたタイトルが多く、「子どもたちが昔好きだった絵本を選びました。大学生の娘と一緒に取り組みます」「この絵本が遠い国の子どもたちの元へ届くのだと想像するとわくわくします」「子どもの中学校入学を記念して家族で参加しました」など、翻訳絵本作りを通して、世代を超えたつながりが生まれています。

シャンティはこれからも、絵本を知らない子どもが少しでも少なくなるよう、みなさんと一緒に歩んで参りたいと思います。

20周年を迎えた「絵本を届ける運動」

1999年に開始した「絵本を届ける運動」は「自分が携わった絵本を子どもたちへ届けてあげられるから」と多くの方が参加してくださっています。この20年間、より多くの絵本を子どもたちに読んでもらえるよう試行錯誤を繰り返してきました。個人、企業、学校のみなさま、絵本の翻訳ボランティアのみなさま、「絵本を届ける運動」に参加してくださる全てのみなさまのおかげで、アジアの国々に約31万冊の絵本を届けることができました。

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.302 (2019年秋号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。※ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

※公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は特定公益増進法人の認定を受けています。
「絵本を届ける運動」の参加費はご寄付として、税制上の優遇措置(寄附金控除)が受けられます。