2020.06.10
絵本を届ける運動

絵本を知らない子どもたちへ どんな絵本が届けられているのか

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絵本

世界的に新型コロナウイルスの終息目処が立たない今だからこそ、皆さまと共にアジアの子どもたちへ「本の力」を届けたいと思います。活動開始から20年が経過した「絵本を届ける運動」へご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。本日は、絵本づくりにご参加いただく方から、よくご質問いただく対象絵本の選定について、ご紹介いたします。

 

絵本を知らない子どもたちへ どんな絵本が届けられているのか

各国のリクエストに合った絵本を

「絵本を届ける運動」を通じて届ける絵本は、各国事務所から「こんなテーマ・ジャンルの絵本が欲しい」というリクエストを受けて選定します。各事務所の活動内容や絵本を届ける地域の対象年齢、文化的背景などに応じて必要な絵本は異なります。各事務所からのリクエストを受け、東京事務所の「絵本を届ける運動」担当スタッフが手分けして書店や図書館を巡って絵本を探します。

 

絵本を選ぶ基準

絵本を選ぶ際、以下のポイントに注意しています。

 

  • ●擬態語・擬声語が少ないこと
  • ●レイアウト
  • ●著作権者の承諾を得られるか

オノマトペと呼ばれる「ニコニコ」や「こけこっこー」などの言葉は、現地語で訳しきれないことがあります。また、文章と絵の間が狭すぎたり、貼る場所が多すぎる絵本は、訳文シールを貼るのが難しくなるため選べません。一番大切なことは、出版社や著者の許可をもらえるかどうかです。絵本にシールを貼ることは著作物の改変に当たるため、著作権者の許諾が必要です。

 

著作権者との取り決め

海外へ届ける絵本はすべて出版社を通して、必要な手続きを行っています。主に、①日本語から各言語に翻訳すること ②訳文シールを作成して絵本に張り付けること ③訳文シールの張り付けた絵本をシャンティの事業地や公共図書館・学校図書室など公共のスペースで使用することなどの許可を得ています。

 

届けた絵本の代表的なテーマ・ジャンル

【科学】

シャンティの活動する国々では、出版数の少ないジャンルのひとつです。副読本のような本が求められ、学校の先生が教科書の代わりに使用することもあります。

 

【人間関係】

友だちを大切に思う、両親を敬うなど人や社会との関わり方を自然に学べるような絵本です。中にはアイデンティティを描いた深いメッセージを持つ絵本もあります。

【外国文化】

難民キャンプやスラムなど、得られる情報が限られた環境で暮らす子どもたちに、外の世界を伝え、さまざまな将来の選択肢や職業の多様さを知ることができる重要なテキストになっています。

 

  • 【動物】

動物が登場したり、動物が主人公のストーリーは子どもたちに人気です。動物がかわいくデフォルメされた絵本より、より本物に近く描かれた絵本が人気です。

本記事は、シャンティが発行するニュースレター「シャンティVol.302 (2019年秋号)」に掲載した内容を元に再編集したものです。ニュースレター「シャンティ」は年4回発行し、会員、アジアの図書館サポーターに最新号を郵送でお届けしています。

 

企業の皆さま、ご自宅でもボランティアにご参加いただけます

たくさんの民間企業・団体様が、CSRの取り組みの一環として「絵本を届ける運動」にご参加いただいております。日頃からのご協力に、心より御礼申し上げます。新型コロナウイルスの影響により対面での社会貢献活動が難しい中ですが、「絵本を届ける運動」は、社員の皆さまにご自宅でご参加いただけるボランティア活動です。ご自宅でお子様とも楽しく学びのある絵本づくりにお役立ていただけますようにワークシートの準備もございます。「休校中だからこそ学びたい世界の教育事情」を併せてご覧ください。ご自宅でのボランティア「絵本を届ける運動」へ、ご参加・ご協力のほど、何卒よろしくお願いいたします。

 

※公益社団法人シャンティ国際ボランティア会は特定公益増進法人の認定を受けています。
「絵本を届ける運動」の参加費はご寄付として、税制上の優遇措置(寄附金控除)が受けられます。