「絵本を届ける運動」職員が選ぶおすすめ絵本(2026年度収集絵本より)
大人になってしまうと、うっとおしく思えてしまうセミの鳴き声も、子どものころはその虫たちの声を頼りに、夢中になってセミの抜け殻を探し、ブローチにして服に着けていました。
あんなに暑かったはずなのに、虫取りに夢中になると、暑さも忘れて没頭してしまうのは、子どもならではの夏休みの魔法でしょうか。
こんにちは。総務人事課の榎本です。
私は子どもの頃、虫が好きで、休日や放課後になると、時間も忘れて小さな虫たちの世界を冒険することが何よりの楽しみでした。
田植えの季節には、カエルを夢中で追いかけ、秋になると、夕暮れの校庭を赤とんぼが舞う光景に心を奪われました。どうやったら捕まえられるのか、どうやったらとんぼの目を回せるのか──そんなことを考えながら、何度も試行錯誤したのを覚えています。夜になると、外からふと響いてくる鈴虫の声に、寒い季節が近づいていることを感じ、少しさみしい気持ちになりました。
そしてまた春が来ると、モンシロチョウをはじめとした様々な蝶が空を舞い、やわらかな春の気候に心が和らぎました。
あの頃、すぐ身近にいたはずの昆虫たち。
気がつけば、大人になり、人間の暮らしとは少し離れた、まるで別の世界の住人のように感じてしまいます。
今回は2026年度に翻訳を行う絵本のなかから、私のおすすめ「みつけた!こんちゅう」を紹介します。
『みつけた!こんちゅう』(文・絵:鎌田 歩、出版社:教育画劇)
この絵本はアメをはこぶアリや、花のみつを吸いにやってくるチョウチョなど、身近にいるはずなのに、普段は気づかずに通り過ぎてしまう昆虫たちの世界をのぞかせてくれます。
ページをめくるたびに、「次はどんな生きものだろう」とわくわくしてしまう仕掛けがいっぱい。
落ち葉の下や、花の奥、土の影。
小さな体で懸命に生きている虫たちの動きが、自分の目の前で動き出したように感じられて、虫探しに夢中になった子どものころの思い出がよみがえります。
昆虫の世界はとても小さくて静か。
でも私たち人間の世界のすぐ隣にあります。
昆虫たちの小さな命に目を向ける瞬間、私たちの心にもそっと優しい風が流れる気がします。
ページをめくるごとに、忘れかけていた「好奇心」や「ドキドキ」がよみがえる。
そんな子ども時代を思い出させてくれるのが、この絵本の魅力です。

シャンティ国際ボランティア会の「絵本を届ける運動」では、日本語の絵本を一つ一つ丁寧に翻訳し、カンボジアやラオス、ミャンマー、ミャンマー(ビルマ)難民キャンプで暮らす子どもたちのもとに届けています。シャンティではこれまで43万冊以上の本を世界の子どもたちに届け、2025年は18,109冊の翻訳絵本を子どもたちのもとに送ることができました。
届ける絵本は、毎年現地の人々の声や子どもたちの状況を聞きながら、ひとつひとつ大切に選んでいます。
今回ご紹介した「みつけた!こんちゅう」もきっと世界の子どもたちの「わくわく」と「どきどき」を引き出してくれるでしょう。小さな虫たちの世界が、あなたと世界の子どもたちの心をそっとつなぐ、懸け橋となりますように。
子どもたちにとって、絵本は外の世界を知り、自分のことを知るきっかけにもなります。
世界のより多くの子どもたちにその機会を届けるために、ぜひこの活動に参加してみませんか。
ご関心をお持ちの方は、ぜひ以下よりお申し込みをお待ちしております。
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総務人事課 榎本


