2025.07.10
絵本を届ける運動

【翻訳絵本づくりワークショップ開催報告】UBSグループの皆さま

講演・ワークショップ

2025年6月18日(水)、UBSグループ 様主催により、翻訳絵本づくりのワークショップを開催いただきました。この度は社員の皆さまを対象に、合計40冊ほどの翻訳絵本を作成していただきました。

さて、そんなワークショップの様子をお伝えする前に、『絵本を届ける運動』とはどういった取り組みなのか、ここであらためてご紹介をさせていただきます。

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【絵本を届ける運動とは?】

シャンティでは、なかなか教育が行き届かず、絵本が不足しているアジアの地域の子どもたちに、『絵本を届ける運動』 を通して翻訳絵本を届けています。

世界には美しい絵本がたくさんあります。日本で出版された絵本に、現地語の翻訳シールを貼り付け、本を知らないアジアの子どもたちに絵本を届けるため、1999年から始まった取り組みです。

絵本を通して、子どもたちが厳しい環境に立ち向かうための生きる力を身につけ、未来を切り拓く力を育めるよう活動を続けています。

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今回ご紹介するUBSグループの皆さまには、以下の3カ国、4カ所の地域に向けた絵本を作成いただきました。

 カンボジア/ラオス/ミャンマー/ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

 ※対象言語:クメール語/ラオス語/ビルマ語/カレン語

お取り組みいただいた作品 4 タイトルです。

お一人ずつ気になった絵本を一冊お選びいただき、まずは物語をお読みいただきました。作品の世界を楽しむところから、ワークショップのスタートです。

そして、実際に翻訳絵本づくりに取り掛かる前に、まずは職員のほうから、シャンティが行っている活動についてお話をさせていただきました。あわせて、先日公開したばかりの ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業紹介の最新映像をご覧いただきました。

※動画はシャンティの公式Youtubeで公開中です。

絵本は世界とつながる窓 | ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ事業紹介

 

映像をご覧いただいたことで、今回手掛けた絵本が、実際にどのような情勢の地域、そして人びとに届くのか、少しでも身近に感じながらご参加いただけたのではないでしょうか。参加者の方の中には、難民キャンプで育つ子どもたちの様子を気にかけてくださる方もいらっしゃいました。

翻訳絵本づくりスタートです。集中して翻訳シールをはさみでカットしていきます。

 

絵本を届ける運動で、次年度2026年よりあらたに追加となった絵本『やっぱり おおかみ』は、ひとりぼっちのおおかみが、「け」という、ふくみのあるセリフをつぶやきながら、仲間をさがして町をさまようおはなしです。使用する翻訳シールも、イラストの「け」というセリフ一文字にあわせて、切り貼りしていきます。

「イラストの一部かと思いました!」と、シールを貼る位置を注意深く確認される様子もみられました。

 

翻訳シールを貼り終えたあとは、絵本の見返し部分に、ご自身のお名前を現地語で書いていただきます。慎重に下書きしたあとに清書する方や、「難しい…!」と笑っておられる方もおり、集中しつつ、また真剣に書き込んでくださいました。

ビルマ語のあいうえお表を見ながら名前を書いていきます。

 

さて、ここでご参加者様よりお寄せいただいた声を一部ご紹介させていただきます。

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◇ 「今回も素敵なタイトルをピックアップいただき、ありがとうございます。」

◇ 「私の母が絵本が好きで、子どもの頃、家にたくさんの絵本がありました。私の子どももその絵本を読んでおり、世代を超えて読んでいます。『絵本を届ける運動』は、素敵な取り組みですね。

◇ 「『おおきくなったらなんになる?』がかわいいですね!

◇ 「翻訳絵本の作り方は、ホームページでも確認できるでしょうか?」

  ※ウェブサイト で以下動画を公開しています。


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完成した翻訳絵本は、シャンティの東京事務所に返送いただきます。その後、戻ってきた絵本を確認、仕分けしてアジア各国の事務所に、年に一度輸送しています。

現地事務所に届いた後は、事前にたてている配架計画に沿って、学校や図書館、移動図書館車両に積載します。今回作成いただいた翻訳絵本が子どもたちの手元に届くのは、2026年以降の予定です。

 

UBSグループの皆さま、『絵本を届ける運動』にご参加いただき、誠にありがとうございました。翻訳絵本は、皆さまのあたたかいご支援の気持ちとともに、各地の子どもたちに責任を持って届けてまいります。次の機会もぜひ、ご一緒できることを楽しみにしております。

 

◆2025年度の「絵本を届ける運動」の申込はこちらからご覧ください。

◆ワークショップについてのお問合せはこちらより、ぜひお待ちしております。

 

シャンティ国際ボランティア会 「絵本を届ける運動」担当

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<写真の絵本>

『やっぱり おおかみ』 作・絵:ささき まき  福音館書店

『10ぱんだ』 文:岩合 日出子、写真:岩合 光昭 福音館書店

『とどくかな』 作:三浦太郎 偕成社

『おおきくなったら、なんになる?』 著:刀根 里衣 NHK出版