2018.12.12
緊急人道支援

【インドネシア・スラウェシ島地震】1,200世帯に緊急救援物資を配布しました

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活動風景
震災

シャンティ国際ボランティア会(会長 若林恭英/所在地 東京都新宿区)は、2018年9月28日にインドネシア・スラウェシ島で発生した地震で被害を受けた地域で緊急支援活動を行っています。

10月23日に緊急救援担当職員の竹内と栗本が、最も大きな被害が報告されている被災地パルに到着し、現地のカウンターパートNGOと共に活動を開始しました。また常務理事の市川斉も10月31日にパルに到着し、被災地域でヒアリング調査と緊急救援物資の配布を行いました。


建物が倒壊した被災地トンガラ

インドネシア・スラウェシ島地震の被害と支援活動

インドネシア スラウェシ島地震では、2100名以上が亡くなり、1000名以上が行方不明です。

6800棟もの家屋が損害を受けました。震災から2カ月経った11月末時点で、17万3000人以上の人々が避難生活を送っています。(OCHAホームページ11月29日時点)

10月23日に現地に到着したシャンティ海外緊急救援担当の現地調査を通じて、スラウェシ島のパル・ドンガラ・シギの3地域で、それぞれ異なる被害があることが分かりました。

震源地のドンガラでは、地震による建物の倒壊や地滑り、地割れによって交通が断絶しました。スラウェシ島中部の中心地パルでは、3mを越える大きな津波が入り江を襲い、沿岸部で大きな被害を受けました。震源から離れた山間部のシギは、地盤が弱く、液状化現象による被害が最も大きいです。

シャンティは、11月4日より現地で緊急救援物資を配布しました。11月27日までに、シギの1,000世帯、パル・ドンガラの200世帯、合計1,200世帯に届けることができました。

報道されない震災被害と支援を受けられない人々

現地調査の中で、日本ではあまり報道されていないスラウェシ島地震の甚大な被害を目の当たりにし、支援から取り残された人々に出会いました。

被災者は各地域で、地震、地滑り、地割れ、津波、液状化現象と様々な災害に襲われました。現地調査の中で、「主食であるお米が足りない」、「下着や衛生用品がない」、「テントがもっと必要」、「ベビー用品がなくて困っている」という声を多くの人から聞きました。

配布物資一覧(1世帯あたり)

・米(5キログラム)
・ココナッツオイル(1リットル)
・野菜(キャベツ、ニンジン、ジャガイモ)
・入浴用品
・歯ブラシ
・歯磨き粉
・洗濯用洗剤
・ブランケット
・女性用下着
・生理用品

被災地では、皆が行政等からの支援を受けられたわけではありませんでした。物資配布のリストにシングルマザーの世帯が載っていないため、物資をもらえず、幼い子どもを抱えた母親がいました。物資を受け取るために必要な身分証明書が、全壊した自宅の中に埋まっているため、物資を受け取ることができない人もたくさんいました。

シャンティは、被災者が今、必要としている緊急救援物資を、特に支援が必要な合計1,200世帯に配布しました。

また、各家庭の状況に合わせ、追加物資として、ベビー用品200セット、学用品200セット、テント用品220セット、蚊帳400セットを配布しました。

笑顔に隠されたアリニさんの苦難


ベーカリーを営んでいるアリニさん

アリニさん(39歳)は3人の子どもの母親です。シギで10歳の末っ子の息子と親戚の3人で暮らしており、上の2人はパル市内の学校に通っています。

自宅の前に置いた仮設テントで寝ています。雨期のインドネシアで、ビニールシートの仮設テントでは雨をしのげないことが悩みです。

地震が起きたときはパル市内のカフェに友人と息子といました。津波が来たのを見て、急いで走って逃げ、無事に助かることができました。

今でも息子は、雨や地震を怖がって私にしがみついてきます。泣きだしてしまうこともあります。

自分のお店のことで、今一番困っています。地震が起きる前は、順調にベーカリーを営んでいました。しかし、地震の後は、材料費が高くなり、さらに材料そのものが手に入りにくくなりました。ケーキを買いに来るお客さんも急激に減りました。ケーキを買えないほどお金に困っているからです。


支援物資を受け取るアリニさん(中央)

将来、機械を導入してお店を大きくしたいと思っています。そうすれば、自分のためだけではなく、村の女性たちに働く場を提供できるからです。

笑顔で話してくれていたアリニさんでしたが、お店の経営難について話しているときは、目に涙を浮かべていました。

「インドネシア地震 緊急募金」受付中

郵便振替: 00150-9-61724
加入者名: 公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
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