【ネパール地震】図書館活動の研修会を開催しました
ナマステ!(ネパールの言葉で「こんにちは」)
緊急救援室の木村です。今日から10月に入り、夏服から冬服に変わったり、スポーツ庁が開設されたりと変化を感じる1日ですね。
地震の被災者支援を継続しているネパールも、雨季から乾季へと移行する時期です。日本では秋は運動会のシーズンですが、ネパールでは緑が豊かで気候も良く、最も過ごしやすい季節と言われています。被災地の人たちの間でも、農業など活発に活動する姿が見られます。
そのようななか、シャンティが建設支援をしている女性向けのシェルターに併設する子どもたちが遊ぶ場所(チャイルド・フレンドリースペース)での活動に際し、図書館活動の研修会が実施されました。現地に駐在している山本スタッフからの報告をお届けします。
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9月26日から28日の3日間、SVAミャンマー(ビルマ)難民支援事業事務所(BRC)のセーラー、トー職員を講師に、図書館の活動の研修会をヌアコット郡、ダーディン郡で実施しました。
【研修講師:SVAミャンマー(ビルマ)難民支援事業事務所・セーラー職員】
震災後の支援で建設した女性シェルターに併設されたチャイルド・フレンドリースペース内には、図書コーナーが設置されています。研修では、ここで働く女性ボランティアや近隣の学校の教員向けに、さまざまなおはなし読み聞かせ活動や子ども向けの教材を紹介しました。地震で被害を受けた5つの郡から生徒代表含めて、57名が参加しました。参加者の中には、研修に参加するのは初めての人も。最初は緊張気味でしたが、いつの間にか講師の紹介する様々なレクリエーション活動に引き込まれていました。
【おはなし読み聞かせ活動を紹介する弊会BRC事務所トー職員】
研修会では、チャイルド・フレンドリースペースでの活動を充実する為の、ゲーム、レクリエーション、おはなし読み聞かせ等の活動が紹介されました。グループに分かれて、どのようなプログラムがより子どもたちに楽しまれるか、子どもたちの読書推進につながるか、といった議論をしてもらいました。
へき地の村々では手に入る教材が限られる為、使用済みペットボトルで作るおもちゃや、段ボール、白紙を工夫して作る教材に、研修の参加者は「これならできる!」と作り方を一生懸命ノートにメモをしていました。
【各グループで、活動計画を作成して発表する様子】
ネパールの女性の識字率は57%といわれています。特にへき地の村々には読み書きができない女性も多いのが現状です。女性のシェルターは、被災した村の女性たちが協力し合って今後の生活を再建していくための施設です。
「今まで、女性のための支援シェルターに子どもの施設を併設することは考えていませんでした。多くの女性が避難を求めてシェルターに来る際には、必ず子どもたちも一緒です。その子どもたちの教育を一緒に考えることは、女性たちの教育への意識向上にもつながると思います」と今回の研修を一緒に行ったネパールNGO(WHR)プログラムオフィサー・ラジン女史(上記写真)は、「他の地域にもこの活動を広げていきたい」と語ってくれました。
グループごとの議論では、自分たちのチャイルド・フレンドリースペースをより良いものしたい!と活発に意見交換がなされていました。研修の最終日には、研修の参加者全員でヌワコット郡タナパティ村に完成したチャイルド・フレンドリースペースを訪問し、子どもたちの前で研修で身につけた図書館活動を実践してもらいました。
【子どもたちの前でレクリエーション活動に挑戦する研修参加者】
土砂崩れによる道路決壊の影響で立ち往生を繰り返しての移動の中での研修会でしたが、子どもたちの笑顔に悪路での疲労も忘れて、研修に熱心に参加する女性たちの力強い姿が印象的でした。
【2日間のダーディン郡での研修を終えての集合写真】
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本件に関するお問い合わせ先
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
担当:緊急救援室 木村
※尚、仮設教室建設・トイレ建設の事業の一部はジャパン・プラットフォーム(JPF)からの助成金を受けて実施しています。