2013.12.03
緊急人道支援

【フィリピン台風】東サマール州を視察、村でインタビューをしてきました

緊急救援室の長沢です。11月22日より引き続き、白鳥・長沢の2名はフィリピンのサマール島にて初動調査事業、及び地元のNGO団体とともに今後の事業形成を行っております。毎日バイクの横に箱をつけたトゥクトゥクのようなトライシクルに乗って、地元NGO団体のオフィスに通う日々が続いております。

今回は11月25日~27日に東サマール州の被災地を視察した際の、被災者の方々のインタビューをお届けいたします。

◆エルナー二郡第四村 一番左:シーナちゃん10歳、左から二番目:ジョンレイ君10歳

DSC05261

「台風で学校が被災してしまって通学ができなくなってしまった。昼間は家族の手伝いや掃除をしたりしている、家計を助けるためにものを売って歩いている。台風以前は一日4食だったが、今は2食だけ。お米、缶詰、魚の干物、麺を食べている。」

「台風当日は両親に連れられて一旦学校へ避難したけど、学校も危険であることが分かり、結局避難していたみんなと別の高台に避難した。友達3人が台風によって亡くなった。学校が一日でも早く再開してほしい。」

友達も一緒だったからか、話している時は笑顔でしたが、やはり台風当日の話になると少し顔をこわばらせて話していました。

IMG_7313

インタビュー後、通訳をしてくれた現地NGOのスタッフ(一番左、中央女性)と共に記念撮影(左から2番目の後ろが江口、一番右が長沢)

答えづらいであろう質問にも頑張って答えてくれた子どもたちに感謝です。インタビュー後はまた元気に走っていきました。

◆エルナー二郡パダン村 ジーナさん(左)

DSC05287

「家が全壊してしまい、何をしたら良いのかわからない。台風の日、朝3:30から8:00くらいまで大雨と強風が続き、近所の赤ちゃんが流されてしまったのを見た。近所の人たちは屋根の上に避難していた。 物資は入ってきているが、自分たちのところには敷きマットが届けられなかったため、今は床で寝ている。」

「昼間はがれきの中から服を探し出し、洗って自分や子どもたち用に使っている。下着も見つかるが、人が使ったものは使いたくないので(笑いながら)、新しい下着が欲しい。(インタビューをする前もずっとがれきの中を探していたようでした)」

「台風直後はここにはもう戻りたくないと思ったけど、今はお金もなくて土地が新たに買えないので、ここにまた家を建てるしかないと思っている」

写真では分かりづらいですが、実際にお話を聞いてる際はとても明るい方で、冗談を交えながら台風当日の様子や今の生活について話してくださいました。この方が話し始めると他の女性達も寄ってきて、ムードメーカー的な存在であることが感じられました。最後インタビューを終えた後も、皆さんに手を振っていただきました。

◆エルナー二郡カルメン村 エスカランテさん(71歳)

IMG_6209
「台風当日は取り残されてしまい、ヤシの木に20、30分つかまって生き延びた。途中意を決して水に飛び込んだ。家は全壊してしまった。」

「元漁師;今は農家としてかぼちゃなどを育てていたが、今はすべて流され生計が立てられない。マニラに避難したいが、お金がないのでできない」

「台風以前は17時頃にはみんなで夕飯を食べていたが、今は暗くなる前に料理をし食べ終わる必要があるため、17時より前にみんなで集まって食べている」

インタビュー中に一度大雨が降りだした瞬間、それまで穏やかに話されていた表情が、急に厳しくなり、「雨が入ってくるからブラインドを閉めて」と強い口調になったのが印象的でした。71年間生きてきて一番大変な出来事だったと語っていたエスカランテさん。今一番必要としているのは住居を建てなおすための屋根になる材料や工具と話されてました。

IMG_7401
エスカランテさんのインタビュー中に子どもたちと少し走って遊んでいたのですが、その中の一人の少年(写真)が、インタビューが終わっても私たちのあとにくっついて来ました。この子には直接インタビューをすることはありませんでしたが、私たちの気を引こうとしているのか、ニワトリの鳴き声をしてみたり、前に走って行って振り向いて変な顔をしてみたりと、しばらくくっついてきていました。ずっとひょうきんな感じで接してきた少年でしたが、ふとした瞬間に見せる淋しそうな表情が印象的で、ずっと後ろについてくるこの子の両親はどうしてるのか、思わず考えてしまいました。

引き続き、初動調査チームは今後の事業形成のための調査を続けております。5日には、こちらのエルナー二郡にて蚊帳や調理器具などの物資配布を行います。

台風ハイエンにより被害を受け、困難な状況にいる方々に、皆様からの温かいご支援をお願いいたします。

◆募金受付中◆<手数料無料>

郵便振替: 00150-9-61724
加入者名:公益社団法人シャンティ国際ボランティア会
*通信欄に「フィリピン台風」と明記下さい
*備考欄に「免」と明記ください(手数料免除)

なお、現在実施中の初動調査事業は、ジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成を受けて実施しております。

緊急救援室 長沢有華