2013.11.25
緊急人道支援

難民キャンプの全図書館に「情報掲示板」を設置します!

ミャンマー(ビルマ)難民キャンプ

こんにちは。ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所の小野です。

9月のことになりますが、毎年恒例の「コミュニティ図書館マネジメント研修」を各キャンプで実施しました。今年は副題を「将来への情報」として、「難民キャンプを出た後の生活」を想定した上で、必要になってくる情報をあれこれ考えてみました。現在、難民の人たちは、本国の民主化に伴って帰還の可能性も出てきて、人生をどの国でどのように再出発させるか、より真剣に考えることを迫られています。そんな中、情報サービスの担い手でもある図書館の役割にも大きな期待がかかっているのです。

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最初の数キャンプ(全7キャンプ)の研修は私が進めましたが、その後は、内容展開を即座に会得した調整員のエッソスタッフがどんどん主体的に進めてくれました。通訳の時間も省けてスッキリしたわけですが、逆に彼女が今何も説明しているのか、カレン語なのに聞き耳を立てている心配性な自分も発見・・・。(写真バンドンヤンキャンプ)

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しかし、こんな下手な絵を描く時間も頂きました(笑)。これから導入する「情報掲示板」に関してイメージをふくらませてもらいました(本当はあまりふくらんでないかも)。そして、住民への簡易調査も実施して、聞き取ってきた「将来に関する情報ニーズ」を考慮した、「情報掲示板」の内容案をグループごとに考えてもらったのです。一言で「将来」と行っても、難民の人たちの心境は複雑。第三国定住、本国帰還、それともこのままタイへ定住?全体状況としては、第三国定住は下火へ、本国帰還を急かされ、タイへの定住は政府が許可しない中、難民たちの多くはまだ第三国定住を希望しているという感じです。(写真タムヒンキャンプ)

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こんなふうにして、グループで情報掲示板のコンテンツを考え、レイアウトしてもらいました。「個々人の描くいろいろな将来に役立つ」「図書館内の蔵書と積極的につなぐ」「他団体の活動とも積極的に連携する」「識字力の低い人でも興味を持てるデザインにする」・・・そんなことを配慮しながらの試行錯誤。でもどこでも色紙を使ったお花のデコレーションは健在でした!(写真メラウキャンプ)

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出来上がった掲示板の情報コンテンツ案。新刊図書や青少年ボランティアのイベントが中心のようですが、どうやらそれらの中に将来を考えるために必要な情報が入っているらしいです。(写真バンドンヤンキャンプ)

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こんなふうにして、各グループによるプレゼンを通して、よいコンテンツ、レイアウトなどを探っていきました。(写真バンドンヤンキャンプ)

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現在、上記写真のような情報掲示板を各図書館で組み立ててもらうべく、各キャンプに完成したパーツを搬入しています(そう、これは分解できるのです!)。それと同時に、第1回目の情報コンテンツを事務所で吟味中。情報アップは月1回、21カ所の図書館で共通な情報を軸にしつつ、キャンプ独自のコーナーも作っていく予定です。もちろん、難民キャンプ委員会の情報センター、UNHCRのポータルサイト、CCSDPT(国際NGOの連合体)の情報システムとも十分連携してくことも重要な要素です。最初のコンテンツ案はSVAでまず提案しながら、各キャンプの図書館関係者が乗ってきたらどんどん参加してもらうつもりです。9月のマネジメント研修が布石になってくれたらこんな嬉しいことはないのですが・・・。

次回は、出来上がった掲示板を人々が読んでるシーンをご紹介したいと思います。

以上、小野でした。