あなたの将来は?―変化の中の人々
渡米が決まっている女性
「仕事や将来のことは何も決めてないけど、とにかくアメリカに行けることがうれしいわ。」
女性の顔は、希望で満ち溢れたいました。
こんにちは。ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所インターンの佐藤です。
「将来のあなたは何をしているか?」
という質問を難民キャンプの人々にしてみました。
帰還が始まったもののこのままのペースだと完了するまでに200年かかるといわれるほど、難民キャンプに留まる人が沢山いる一方で、難民キャンプへの国際援助は減少を続けており、今後も生活はさらに厳しくなっていくことが予想されます。
この状況下にいる人々は、どんな将来を思い描いているのでしょうか?
第三国定住をする人々
冒頭の女性のように難民キャンプを出て第三国定住をする人たちがいます。第三国定住の募集は、2013に停止しており、現在はそれまでに申請した人たちの手続き段階にあり、毎年、約3000人が第三国に定住しています。
学校で先生をしている男性
奥様と娘さんでアメリカに住むことが決まっています。1週間で10冊の本を図書館で借ります。本から英語も学び話すことができます。キャンプの生活を乗り越え、アメリカで穏やかな生活を送ることが楽しみだといいます。
第三国定住ができない人々
では、第三国定住ができない人たちはどうでしょう?
6歳から図書館に通い、図書館青年ボランティアとなった女性(左)
女性は6歳から毎週末図書館に通い詰め、図書館青年ボランティアになり、現在ではメラキャンプの図書館を統括しています。何らかの理由で未だに第三国定住は認められていませんが、今でもキャンプを出たい、医者になりたいという夢は変わらず持ち続けています。
もうすぐ妹が生まれますが、彼はまだまだ図書館員の母親にべったり。
キャンプの外いる父親を含め「本当はキャンプを出てみんなで平和に暮らしたい。どうしたらいいの?」と聞かれ、回答に困りました。方法はあっても、安定した未来が確約されるわけではない。難民の人たちが帰還をためらう理由の一端を見たような気がしました。
彼女は英語が話せる高校生。
とても笑顔が素敵ですが、将来について聞くとそれが一変しました。「ミャンマーでも他国でもキャンプ以外のどこかに行きたい。でも私は難民だからできない。これからもずっと。」そう言った彼女の顔はとても暗く、笑顔で隠された心の中を垣間見えたようでした。
人々と話す中で考えるようになったことがあります。
国際援助の減少と帰還への躊躇いの間で、明確な将来を描けない方々がすごく多い。この状況下に置かれた人々を救うために、シャンティの事業が持つ意味とは何でしょうか?
答えを見つけるにはより精緻な調査が必要ですが、インターンの期間を通して答えを見つけたいです。
ミャンマー(ビルマ)難民事業事務所インターン 佐藤